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栃木県立佐野高等学校ラグビー部が、現在ポーランドで開催中の国連のCOP24「Sport for Climate Action」12/11開催に招待され出席するという情報が届いた。
プレスリリースは、以下の通り。
古豪・佐野高校ラグビー部が、海を越え、国際会議に参加
【佐野高校ラグビー部主将・渡耒遊夢(高2)及びに私、監督の石井勝尉は、12月2日よりポーランド南部カトヴィツェ市で開催されている国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)に参加することになりました。9日に成田よりポーランドに出発し、11日に「Sports for Climate Action」のパネルディスカッションに参加、13日に帰国予定です。
今回のCOP24では、すでに参加表明をしている国際オリンピック委員会(IOC)などが中心になり、スポーツ界がどのように世界規模の気候変動に貢献できるかについて、国連が具体的なガイドラインを作成します。これは国連が掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の重要な課題の一つで、欧州サッカー連盟(UEFA)やアメリカ大リーグのニューヨークヤンキース、国内ではプロ野球球団やJリーグのクラブなど、世界の名だたるスポーツ団体が参加を検討しています。
我々がこの国際会議に参加することになった経緯は、一般財団法人「グリーンスポーツアライアンス」代表理事の澤田陽樹氏のセミナーがきっかけです。「グリーンスポーツアライアンス」は、サスティナビリティ社会を目指した課題解決に、スポーツを通じて貢献する団体で、2010年に米国で始まり、昨年12月に日本法人が設立されました。本校ラグビー部OBが理事を務めている縁で、9月にセミナーを受ける機会を得ました。
佐野高校ラグビー部は、公立の男子進学校でありながら、文武両道をモットーに70年代から80年代、全国大会に6回出場した実績があります。しかしながら2011年度に中高一貫の男女共学校となったのに伴い、男子高校生の数が当時の4分の1に減少。現在は、女子ラグビーチームが活躍するという明るい話題もありますが、男子チームは部員数減少により部の存続さえ危うくなっています。
我々の目標は今でも全国大会に出場することですが、それ以上に大切なことは、ラグビーというスポーツを通して、一人ひとりの部員が心身共に成長することです。近隣の公園などの美化活動や地域の子どもたちへのラグビー指導を部活動の一環として行うのも、社会貢献の大切さを体験から学び、成長してもらうためです。グラウンドでプレイすることだけがラグビーではないのです。澤田氏にセミナーをお願いしたのも、社会におけるスポーツの役割を部員たちにより深く学んで欲しいと思ったからです。部員たちは、自分自身がいかに仲間や社会に必要とされている人間であるかを知り、自己肯定感を高めて、ここを巣立っていきます。
今回、高校のラグビー部が突然、海を越え、世界的に有名なスポーツチームとともに国際会議に参加するというニュースは驚き以外の何物でもないかもしれません。しかし澤田氏のセミナーを受けた部員たちから、この国際会議に参加したいという声が上がったのは、私にとっては驚きではありませんでした。本校は、2016年度からスーパーグローバルハイスクール(SGH)に認定されており、生徒たちは、海外の高校生たちとの交流や留学などの様々なプログラムを通して、視野が世界へと広がっていたからです。またラグビーなどのスポーツと世界規模の気候変動という一見、何の関係性もないふたつの組み合わせが国際会議で大きな議題となる点やサスティナビリティというキーワードも彼らの関心を高めた一因かもしれません。私はそんな彼らを誇りに思い、田舎の小さなラグビーチームですが、誰に臆することなく、参加することを決意しました。
とはいえ、正式に我々の申請が認められ、国連から通達が来たのは三日前のことで、私自身は非常に驚いています。まず部員たちに夢を与えてくださった澤田氏に深く御礼申し上げます。そして、この夢のような機会を実現すべく、学校をあげて全面的に応援してくださった教職員ならびに関係者、そして資金調達のために奔走してくださったラグビー部OBの皆さまに感謝しながら、参加する意義を噛み締め、国際会議に向かいます。現地では、学んだことをより多くの人々に発信できるように、世界の新しい潮流を肌で感じ、しっかりと学んできたいと思っています。
2018.12.6 栃木県立佐野高校ラグビー部監督 石井 勝尉
■一般財団法人「グリーンスポーツアライアンス」
http://greensportsalliancejp.org/
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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