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3月24日は秩父宮ラグビー場で、サンウルブズ対チーフスの解説(JSPORTS)だった。ゲスト解説は大田尾竜彦さんで、スタンドオフならではの視点を楽しみつつの解説となった。試合のほうは、61-10の完敗。大田尾さんが「予測のレベルを上げないといけない」と話したのは、サンウルブズのキックに対して、普通は抜けそうにないところを個人技でパスをつなぐ、チーフスの思い切った仕掛けに対応が遅れているからだった。
前半4分に先制トライを奪われたが、SO田村優の相手陣へのキックが味方に当たって跳ね返ったところから攻め込まれており、試合の流れの中では手痛いターンオーバーだった。11分には、ゴールラインを背負ってのスクラムを押し込まれ、PKからの速攻で2本目のトライを献上。17分にはラインアウトからのサインプレーで3トライ目、その直後のキックオフからは、SOダミアン・マッケンジーに大幅ゲインを許し、4トライ目を奪われた。マッケンジーの正確なプレースキックもあって、28失点。これがその後のサンウルブズのプレー選択を苦しくした。
スタジアムがもっとも沸いたのは、後半開始早々のWTBホセア・サウマキのトライだった。チーフスのHOネイサン・ハリス、SOダミアン・マッケンジーの2人のオールブラックスをハンドオフでかわしての独走トライで、28-10とする。しかし、以降はあっさりと引き離された。後半4分、ダミアン・マッケンジーのトライは見事だった。右タッチライン際のWTBにスピーディーなロングパスを放ち、自ら素早くサポート、再びパスを受けてインゴールに駆け込んだものだ。この日のマッケンジーのパフォーマンスは、175㎝、80㎏の小さな体でオールブラックスに選ばれる理由を十分に見せつけていた。
しかし、サンウルブズのディフェンスは課題が多い。前に出るディフェンスシステムなのに、ファーストタックルが決まらない。防御背後へのキックを蹴られると対応が遅れた。特にバックスリー(WTB、FB)の連携がとれていなかった。修正を急ぎたい。
「タックルミスでソフトなトライを与えてしまった。チーフスにプレッシャーをかけられたし、我々はプレーの遂行力が足りなかった」(ヴィリー・ブリッツ共同キャプテン)。リーチ マイケルも「チーフスはセットプレーも強かった。アンストラクチャーからのアタックはチーフスが上でした」とチーフスを称えたが、「世界のトップチームと戦えば、弱みが見つかる」と、前向きに「修正していきたい」と語った。次週は試合がなく、次は4月7日、秩父宮ラグビー場でオーストラリアのワラターズを迎え撃つ。そろそろ秩父宮ラグビー場で歓喜のノーサイドを見せてほしい。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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