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ここ数週間、立て続けにラグビー本に触れる機会があったので、ご紹介しておきたい。まずは、「問いかけ続ける━世界最強のオールブラックスが受け継いできた15の行動規範━」(東洋出版社 ジェイムズ・カー著)。驚異的な勝率を誇る世界最強のラグビーチームの行動規範というだけで興味深いのだが、ラグビーだけではなく、あらゆる組織運営に通じるような言葉が満載だ。例えばオールブラックスのSOだったアンドリュー・マーテンズの言葉で次のようなものがあった。「自分の仕事を誰かが代わりにやってくれると期待しないこと」。
オールブラックスのベテラン選手がロッカールームを掃除し始めたエピソードの流れで出てくる。【才能ある選手を集めても、個人の規律が備わっていなければ、結局はうまくいかない。品性は才能に勝る】。第4章の「責任」には、こんなくだりがある。【リーダーがリーダーを育てるには、責任を順繰りに回し、自分たちのものという感覚と責任と信頼を作り出す必要がある】。一つ一つの言葉が、世界最強軍団の言うことだから圧倒的な説得力がある。
「セブンズ!」(KADOKAWA 五十嵐貴久著)。「ねえ、私たちと一緒に奇跡を起こさない?」。高校生から主婦まで、寄せ集めの女子7人制ラグビーチームが国体優勝を目指す、熱血ガールズ小説。物語の舞台は、岩手県釜崎市。モデルはもちろん、釜石市だ。久しぶりにラグビー小説で泣こう。
「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版 斉藤健仁著)。強豪校が強くいられる理由を、東福岡高校の藤田雄一郎監督、東海大仰星高校の湯浅大智監督ら強豪5校の指揮官の言葉を軸に、なぜ彼らが強豪チームとして安定した成績を残すのかが表現されている。花園の全国高校大会までに読んでおきたい。
「オールアウト!! 第13刊」(集英社 雨瀬シオリ作)。この高校ラグビー漫画は、テレビアニメ、舞台などにもあり、それはすでに終わったが、まだまだ連載は続くそうなので、いまからでも第1巻からぜひ一気に! 自然にラグビーに詳しくなりますよ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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