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ラグビー コラム 2017年12月10日

トップリーグ2017-2018第11節・日曜の結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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12月10日(日)は、大阪・長居のキンチョウスタジアムに行っていた。トップリーグ第11節のクボタスピアーズ対東芝ブレイブルーパスをJSPORTSで解説した。レッドカンファレンス2位に可能性を残す東芝は、是が非でも3トライ以上の差をつけるボーナス点を獲得して勝ち点5が欲しいところ。一方のクボタは、10節を終えて同カンファレンス6位。7位以下になれば入替戦か自動降格が待ち受ける順位決定戦に進むことになり、残留争いから抜け出すためにも勝ち点が欲しい試合だった。

クボタは試合に出ない選手達が試合前には長居公園自由広場でラグビー体験教室、分かりやすいルール解説などイベントを開催し、大阪の各会社から2500人の応援団がかけつけて声援を送った。しかし、クボタは、キックオフ直後に東芝のリーチ マイケルにボールを奪い取られて反則を犯し、約15分自陣に釘付けになる。的確なタックルで粘ったが、スクラムで圧力を受け、反則の繰り返しでPR松浪昭哉がシンビン(10分間の一時退場)となり、その後のスクラムから東芝FBコンラッド・バンワイクにトライを奪われる。

5連勝中の東芝がこれで勢いに乗るかに思われたが、今度はクボタが相手陣深くのラインアウトを得て、モールを押し込み、23分、SH岡田一平がトライして5-5の同点。FB合谷和弘がPGを追加してリードする。東芝は前半33分、SOスティーブン・ドナルドがタックラー2人の間に走り込み、タックルされながらCTBリチャード・カフイにパスをして2つ目のトライ。38分にもSOドナルドがトライし、19-8とした。

あと1トライすれば、東芝が3トライ差をつける場面だったが、後半最初にトライしたのはクボタだった。アグレッシブに縦攻撃を繰り返して、CTBシオネ・テアウパがトライ。19-15とする。ここからは拮抗した展開になったが、空中にいる選手へのチャージで東芝WTB宇薄岳央がシンビン。14人となる。この時間を耐えた東芝は18分、ゴール前のモールを押し込んで交代出場のHO森太志がトライし、24-15とする。クボタもあきらめず、テアウパの突破でゴール前に迫り、最後はSO立川のキックパスをキャッチしたWTB白井竜馬がトライし、24-22と2点差に迫った。

ところが、クボタはここからキックのミスを連続。東芝はそこで得たチャンスを逃さずスコアし、終わってみれば38-22。宇薄のトライで2トライ差として迎えた後半36分からは、東芝がもう1トライを加えようと猛攻。最後はクボタ陣に入ったところでできたラックから宇薄が抜け出し、2人、3人とタックルをかわし、右コーナーに値千金のトライをあげた。この日の宇薄は体のキレが良く、トライ以外でも大幅なゲインを披露。シンビンになっていたので、マンオブザマッチには選出されなかったが、瀬川監督も「僕の選ぶMVPですね。まあ、この活躍でマンオブザマッチが獲れないところが、宇薄らしいですよね」と、ムードメーカーの活躍を笑顔で語った。

東芝のリチャード・カフイキャプテンは「5点獲れたことは嬉しい。しかし、試合の初めは、アグレッシブさが足りず、反応も遅かった。エリアマネージメントもできませんでした」と、反省の言葉が続いた。瀬川監督も同じく、パフォーマンス自体には不満げだった。「我々は5点を積み上げていくしかない」と、残り試合にベストを尽くす。

一方、2点差に迫りながらミスで流れをつかめなかったクボタの立川理道キャプテンは「勝てる点差になった時にミスが続いてしまった。修正したい」と、悔しそう。事実、東芝とのフィジカルバトルは互角に戦いながら、キックのミスで簡単にボールを渡してしまうシーンも多かった。勝負どころで1トライとれていれば、勝てた可能性もある。悔やんでも悔やみきれない敗戦だろう。クボタは次節、コカ・コーラレッドスパークスと、東芝は近鉄ライナーズと対戦する。

■トップリーグ2017-2018第11節・日曜日の結果
◇埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場
パナソニック ワイルドナイツ○42-7●宗像サニックスブルース
◇大阪・キンチョウスタジアム
クボタスピアーズ●22-38○東芝ブレイブルーパス

★サントリー、パナソニックが日本選手権出場決定

第11節の件、サントリーサンゴリアスが勝ち点47となり、レッドカンファレンス2位以上が確定。パナソニック ワイルドナイツが勝ち点54となり、ホワイトカンファレンス1位が確定。ともに「第55回日本ラグビーフットボール選手権大会」(兼トップリーグ総合順位決定トーナメント)への出場が決定した。サントリーは2大会連続18回目の日本選手権出場。パナソニック ワイルドナイツは11大会連続13回目の日本選手権出場となる。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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