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12月2日(土)は、秩父宮ラグビー場に行っていた。他の仕事が重なったりして、第1試合目はしっかり見られなかったのだが、リコーブラックラムズが前半11分のSH山本昌太のトライで先制し、21分にもCTBタマティ・エリソンが2つめのトライ。しかし、NTTドコモレッドハリケーンズもCTB金勇輝がトライを返し、前半を12-7で折り返す。後半はリコーがFL武者大輔、FB中澤健宏のトライでリードを広げ、23分には、NTTドコモのミスボールを獲ったWTB高平拓也が自陣から独走トライ。34-7までリードを広げた。NTTドコモもその後、何度もチャンスを作って1トライを返したが届かなかった。
NTTドコモのダヴィー・セロンヘッドコーチは、「リコーのディフェンスは良かった。ドコモもよくチャンレンジして、大きなリコーFWを止めていたが、チャンスにボールをキープできなかった」と悔しさをにじませた。リコーは3トライ以上引き離すボーナス点を含む勝ち点「5」をゲットした。

第2試合は、今節の注目カードの一つである神戸製鋼コベルコスティーラーズ対NTTコミュニケーションズシャイニングアークス。立ち上がりから互角の攻防となった。NTTコムはFB小倉順平のPGで先制すると、10分、WTB小泉将のトライで8-0とする。神戸製鋼は15分、ラックの背後から走り込んだWTB清水晶大が抜け出してトライし、8-7と迫る。互いにスコアして11-14となった前半終了間際、神戸製鋼がフリーキックからの速攻でFBアダム・アリュリークーパーが左コーナーに飛び込み、14-21と、試合の流れを大きく左右するトライをあげた。
後半開始早々、神戸製鋼はNTTコムがボールをインゴールで押さえ損なうラッキーな形でアシュリークーパーがトライし、14-28とする。この後は一進一退の攻防になったが、最後は思わぬ展開に。21-28で迎えた終了間際、NTTコムが自陣から攻めると、神戸製鋼の山中亮平がパスをカットに行き、これが故意のノックオンと判定されシンビン(10分間の一時退場)。続くNTTコムの攻撃では交代出場のアンドリース・ベッカーがハイタックルでシンビンとなる。13人になった神戸製鋼は防戦一方となり、最後はNTTコムがラインアウトからのモールで、アマナキ・レレイ・マフィがトライ。難しいゴールを小倉順平が決めて、28-28でノーサイドとなった。
神戸製鋼のジム・マッケイヘッドコーチは「きょうは勝ち点4が必要でした。2点になったしまったことは残念でなりません。ただ、辛抱強くディフェンスできたし、自分達のアタックでチャンスを作ることもできました。プレッシャーがかかったところで精度の高いプレーができなかったことが、勝てなかったひとつの要因でもあります」と努めて冷静に語った。山中亮平は、「最後は反則は多くなってしまい、僕も含めて規律の問題があった」とコメントした。
最後に追いついたNTTコムのロブ・ペニーヘッドコーチは、「神戸製鋼は負けたような気持ちでしょう。選手は最後までよく頑張りました。それは誇りに思います。スクラムも強みになり、チームは一歩一歩レベルアップしていると思います」と前向きコメント。ただし、ミスが多かったこと、ターンオーバーされ過ぎたことなど反省点も口にした。
金正奎キャプテンも「フロントローのスクラムの向上はポジティブ。この一か月間日本一努力したと言っても過言ではない。その成果が出たと思います」と前向きコメントから始めた。「ネガティブなことを言えば、自分達でコントロールできるミスが多かった。僕がもっとうまくコントロールできたら良かった。自分自身ももっと成長していかなくてはいけないです。でも、こういうミスの多い試合は2年前なら大差で負けていたでしょう。それを引き分けに持ち込めたのはチームの成長だと思います」
レッドカンファレンスの2位争いは、さらに混沌としてきた。
■試合結果
リコーブラックラムズ○34-12●NTTドコモレッドハリケーンズ
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス△28-28△神戸製鋼コベルコスティーラーズ
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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