JAPAN XV（日本代表）、世界選抜に厳しいレッスン受ける

10月28日は、福岡のレベルファイブスタジアムに行っていた。JSPORTSで放送されたJAPAN XV対世界選抜の解説をするためだった。この試合の詳しいことは、JSPORTSのサイトのコラムにも書くので、ここでは簡単に。

降りしきる雨の中で観客は、1万303人。最終スコアは、47－27。チャンスを確実にものにした世界選抜の快勝だった。日本代表は、いま、激しく前に出る新しいディフェンスシステムに取り組んでおり、それがはまって世界選抜の押し込む場面もあったが、最初のタックルが決まらないと、相手の二次攻撃、三次攻撃で苦境に陥ることもしばしば。前半5分に田中史朗、9分に山田章仁、後半6分には田村優と、ベテラン勢が次々に負傷退場したのも痛かった。後半10分あたりまでは、19－13という拮抗した展開だったが、そこから次第に点差が開いた。世界選抜のWTB藤田慶和は先制トライをあげたほか、後半にはSOベリック・バーンズの内返しのパスを受けて抜け出し、見事がトライをあげ、非凡なアタック能力を改めて証明した。

プレースキックを6本中5本決めた世界選抜FB五郎丸歩は、「短い期間でひとつのチームになれた。夢のような時間でした」と充実の表情で語った。チームを率いたアンドリュー・エリスキャプテンも「雨の中、楽しいラグビーをお見せできたと思います」と笑顔だった。

敗れたジェイミー・ジョセフ日本代表ヘッドコーチは「お互いにゲームをコントロールできていたとは言えない」と話しつつ、「しかし、まさにこういうゲームを、このような相手としたかったわけで、ディフェンスについては、いい形になっていける兆しはあった。オーストラリア、トンガ、フランスとの3連戦に向けて、いい準備ができたと思います」と手ごたえを口にした。

ジョセフヘッドコーチは、「世界選抜はリラックスして試合ができる。日本代表の選手には国を背負うというプレッシャーがある。お互いに違う準備が必要でした」とも語り、選手個々のパフォーマンスを単純比較できない、とも説明した。個人能力の高い世界選抜の選手達が、のびのびとプレーすれば、若い選手が多かった日本代表は当然苦しい試合になる。しかし、その苦しい経験を求めてのマッチメークであり、経験を生かすも殺すも今後の強化次第。まずはオーストラリア代表に向け、最善の準備で勝利を目指してほしい。

■試合結果
JAPAN　XV●27－47○世界選抜（前半13-14）