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9月3日の日曜は、奈良県の橿原公苑陸上競技場へ行っていた。JSPORTSで近鉄ライナーズ対NTTコミュニケーションズシャイニングアークスを解説した。この場所でのトップリーグ開催は初めてとなる。日陰は過ごしやすい風が吹いていたが、日差しが強く、特にメインスタンドのお客さんは暑かっただろう。しかし、グラウンドの試合は別の意味で熱かった。互いに力を出し切る攻防で、ラグビーというスポーツの醍醐味を楽しめる内容だった気がする。
序盤は近鉄ライナーズがスクラムで圧力をかけ、ディフェンスでも激しく前に出る。前半22分、プレッシャーのなかで後方にパスを回したNTTコムに対し、近鉄は今季初スタメンのCTB井波健太郎がインターセプトして先制トライをあげる。しかし、NTTコムは30分、WTB小泉将が大幅ゲイン、SO小倉順平が左タッチライン際にいたLOヴィリー・ブリッツにキックパス。キャッチしたブリッツがタックラーを弾き飛ばしながらトライし、7-5と2点差に迫った。
近鉄がSO野口のPGで3点を追加した直後、NTTコムはSO小倉がラインブレイクし、ゴールラインに向かってキック。近鉄のFBセミシ・マシレワがなんとか戻ったが、これを小倉が倒してラックとなり、その後のラックから小倉が今度は右タッチライン際のWTB鶴田諒にキックパス。鶴田は相手と競り合いながら見事にキャッチしてトライをあげ、10-10の同点とした。
後半に入ると、NTTコムが次々に交代選手を投入してペースアップ。交代出場のCTBブラッキン・カラウリアヘンリーが何度もディフェンスを破り、この日がトップリーグデビューのSH湯本睦、2年ぶりの出場となったFB小野寛智がトライをあげ、次第に突き放した。近鉄はスクラムで圧力をかけながら得点につなげることができず、逆にNTTコムは効率よくトライを重ねた。マン・オブ・ザ・マッチは、ディフェンス突破、キックパスによるトライの演出、仕上げのトライと、大車輪の活躍だったSO小倉順平だった。文句なし、というところだろう。次節、NTTコムはサントリーサンゴリアスへのチャレンジとなる。
■試合結果
近鉄ライナーズ●10-36○NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(前半10-10)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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