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女子ラグビーワールドカップ2017に参加している女子日本代表(サクラフィフティーン)は、現地時間8月13日17時15分(日本時間8月14日1時15分)アイルランド共和国のダブリンで、女子アイルランド代表と対戦。前半を14-0とリードするなど健闘したが、最終的には14-24で敗れた。
立ち上がりの日本はHO齊藤聖奈キャプテン、PR南早紀がダブルタックルで相手を押し戻すなど、ディフェンスラインをよく押し上げてプレッシャーをかけた。スクラムでも押し込んで反則を誘うなど、総合的にアイルランドを圧倒。SH津久井、SO山本を軸にしたキック戦略も功を奏し、アイルランドのミスを誘って攻め込み、前半26分には、ゴール前のスクラムを押し込んでペナルティートライを奪った。前半終了間際にも、FB清水麻有がタックルをかいくぐってインゴールに持ち込んでトライ。前半を14-0とリードする。
後半に入ると、アイルランドは、第1戦(対オーストラリア代表)で活躍した選手達を次々に投入して流れを変え始める。開始2分、CTBフィッツヘンリーがハイタックルでシンビン(※チームとしてのハイタックルの繰り返し)となりながらも、5分、WTBミラーが左中間にトライ。スクラムも安定し、日本の選手が孤立したところでターンオーバーを連発。23分には、ラインアウトからモールを押し込み、交代出場のLOフィッツパトリックがトライ。ゴールも決まって同点とした。
その後、1PGを追加したアイルランドは、FWのサイドアタックを軸に猛攻。日本も低いタックルで懸命に守ったが、終了間際、34フェイズにも及ぶ連続攻撃でついにゴールラインを明け渡してしまった。ここで試合終了。地元アイルランドのファンにとれば最高に盛り上がる幕切れだが、サクラフィフティーンにとっては、得点機にミスもあり、後半は自陣で何度もキックをチャージされるなど、もったいないシーンの多い試合だった。
LO三村、SH津久井、HO鈴木実沙紀らが負傷退場していたのは気になるところ。同日行われた同プールのフランス対オーストラリアは、48-0でフランスが勝っており、次のオーストリア戦は互いに初勝利をかけての試合になる。JSPORTSでの放送は、8月17日(木)深夜00:45~深夜03:15。
■試合結果
プールC第2戦
女子日本代表●14-24○女子アイルランド代表(前半14-0)
▼ヘッドコーチ、選手のコメント
有水 剛志 ヘッドコーチ
「選手は本気で勝つ気で戦ったので、結果については残念に思う。前半の入りは、選手全員が覚悟を持ってプレーでき、自分たちのテンポでゲームを進めることができた。ただ、ワールドカップで勝つには、"ギリギリ"の状態で、80 分間向き合う覚悟があるかどうか。相手に通じるプレーはいくつもあったが、80 分間を通してできるかどうかが重要なので、次のオーストラリア代表戦、順位決定戦に向けては、選手個人は勿論、チームとしても、もう一度自分たちのスタイルを求めたい」
齊藤 聖奈 キャプテン
「勝つことの難しさを改めて感じた。勝てなかった要因は、ボールキャリーのところでペナルティをとられて、試合中にそう何度も来ないチャンスを物にすることができなかったこと。試合の入りが良かっただけに、後半はペナルティの数が多く、セットピースも崩れ出してしまい、その部分は特に悔しく思う。次戦に向けては、後半の入りも意識して、前後半通してしっかりと自分たちのラグビーをやりきりたい」
清水麻有 バックスリーダー
「勝てる試合を落としてしまったのでとても悔しい。バックスのミスが多く、あと少しでトライを取れるところで、ノットリリースザボールなどのミスをしてしまい、トライを取りきることができなかった。チームのレベルは以前より上がっていると思うので、次のオーストラリア代表戦では、最後までトライを取りきり、勝ちにこだわりたい」
南早紀 スクラムリーダー
「前半はスクラムで優位に立てて、そこでトライが取れたので良かった。後半は、フォワードでトライが取れる場面で、取りきることができなかったので、次戦以降は少ないチャンスを確実にものにできるように修正したい」
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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