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6月17日は、静岡のエコパスタジアムに行っていた。JSPORTSで日本代表対ルーマニア代表戦のピッチサイドコメンテーターを務めた。実況は矢野武さん、解説は清宮克幸さん、大田尾竜彦さん。観客は、公式発表で2万7381人。僕はピッチサイドにいたのだが、日本代表のトライのときの歓声は地鳴りがするようだった。
試合結果は残念ながら、22-50という完敗だった。JSPORTSのサイトなどにマッチレポートを書くのでここでは簡単に触れたいが、キックで大きなFWを後ろに下げ、組織化されない状況(アンストラクチャー)から攻めるというプランが正確に遂行できていなかった。反則、ミスで流れを悪くし、キックするタイミングの判断ミスもあり、相手にボールを渡してからのディフェンスも上手くいかなかった。スクラムも圧力を受けた。それでも試合中にある程度修正できるのが今の日本代表の良さであり、スクラムを安定させ、最後は、疲れの見えたアイルランドから、WTB福岡堅樹、交代出場のSH流大が連続トライで観客を沸かせた。
「序盤戦は、ラインアウトでもプレッシャーをかけ、キッキングゲームでもプレッシャーをかけることができた。しかし、得点できなかった。死に物狂いで勝ちに行く貪欲さが足りない」とジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。一方で、交代出場の選手や若い選手が貪欲なプレーを見せたことは評価した。堀江翔太キャプテンは、「自分達のミス、ペナルティーで苦しんだ。自分達のリズムになればトライがとれる。もう一試合できるのはラッキー。良い一週間を過ごしたい」と前を向いた。
アイルランド代表は、日本代表を詳細に分析し、力ずくではなく、サインプレーなどでトライを決めた。主力の11名がブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのニュージーランドに参加しても組織的に一糸乱れぬ動きができるのは、若い選手達にアイルランド代表のプレースタイルが浸透している証だろう。誰一人サボらずに動き続けるアイルランド代表の選手達に感銘を受けた。対する日本代表は目指すプレースタイルを落とし込み始めたばかりの状態で、プレーの精度には大きな差があった気がする。
ただし、何もできずに負けたわけではない。この日出来なかったファーストタックルの精度を高めるなど、課題を修正して対応力あるところを見せてもらいたい。
■試合結果
6月17日(土)14:00キックオフ
静岡・エコパスタジアム
日本代表●22-50○アイルランド代表(前半3-31)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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