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5月27日、秩父宮ラグビー場で行われたスーパーラグビー2017第14節、サンウルブズとチーターズの戦いは、47-7でチーターズの完勝に終わった。「何をやってもうまく行かなかった」と、プレーメイカーの田村優が話した通り、ミス、反則をくり返す、もどかしい戦いだった。
なんとか相手陣に入ったセットプレーでミスが出る。ターンーバーできているのに、そのボールを継続してつなげない。今年のサンウルブズで一番悪いパフォーマンスだった気がする。14-0で迎えた後半の立ち上がりにトライを追加されると、スクラムでも圧力を受け、後半20分を過ぎてから次々にパスをつながれ、トライを畳み掛けられた。前半は大半の時間ディフェンスとなり、粘り強く守ったものの、激しいコンタクトを受け続けたことで、スタミナを奪われた。前節のシャークス戦と同じパターンの完敗である。
最後は、海外移籍によってチーターズのラストゲームとなったLOフランソワ・エイスが、トライ後のコンバージョンゴールを狙うという、チームメイトの粋な計らい。タッチライン際の難しいゴールを決めて大いに盛り上がっていた。心温まるシーンだったのだが、サンウルブズの2勝目を期待して詰めかけたサポーターにとっては黙り込むしかないシーンでもあった。
大きな選手の突進を受け続ければスタミナを奪われる。だからこそ、有効にキックを使って大きな選手を後ろに走らせなければならないのに、チーターズのBKに大幅ゲインを許すなど、プレッシャーをかけきれずに、相手を疲れさせることができなかった。先発SH田中史朗は「一人一人の責任、仕事をまっとうできなかった」と、反省の弁。田中が大きなFW選手にタックルすることが多かったことが劣勢を物語っていた。ニュージーランド遠征から日本にやってきたチーターズに完敗したことについて、田中は「相手のほうが、疲れているはずなのに、貪欲さが足りなかった」と無念の表情だった。
6月の日本代表戦のことを考えても、なんとしても勝ちたかった試合で敗れたショックは大きい。交代出場のベテラン大野均は言っていた。「勝つことがファンへの唯一の恩返し」。サンウルブズにとって、今年、残されたのは7月に行われる3試合しかない。何が何でも勝利をもぎ取る、意欲にあふれた戦いを見せてもらいたい。
■試合結果
◇秩父宮ラグビー場 14:15キックオフ
サンウルブズ●7-47○チーターズ(前半0-14)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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