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7月8日の夜は、高田馬場のノーサイドクラブでの「ノーサイドライブ」だった。東芝ブレイブルーパスから知念雄選手、湯原祐希選手をゲストに迎えた。当初のゲストだった小瀧尚弘選手がサンウルブズ入りしたため、湯原選手が代役で来てくれたのだが、知念選手を何度も持ち上げてくれ(トークで)、スクラムやラインアウトのディープな話も聞かせてくれて、店内は爆笑の連続だった。

知念選手は学生時代、ハンマー投げで何度も日本一になっており、本格的にラグビーを始めて2年で日本代表入りした。その運動の力の高さは凄まじく、東芝のプロップ陣でもっとも足が速く、ベンチプレス、スクワットなどのパワーも一番。おまけに子供の頃にバスケットボールもやっていて、ハンドリングも良い。東芝に入社した頃に、冨岡鉄平監督から「英バーバリアンズや世界選抜に選ばれるように選手になってほしい」と言われたそうで、最初から目指すところが高い。湯原選手も「知念の吸収力はすごいです」と、一試合ごとに成長する姿を頼もしく見守っている。ちなみに、弟さんの知念豪さんは、円盤投げで日本一になったそうだ。
スクラムで組みやすいフッカーについて聞いてみると、「湯原さんは包み込まれる感じで安心感があります」とのこと。また一番押してくれるロックを聞くと「中田英里さんです」との答え。これに、湯原選手も同意。ものすごい押しで、部内でのスクラムで、湯原選手が相手のフロントローを完全にやっつけて、前に出て行ったら、ロックの中田選手のおでこが当たったという。「英里がぜんぜん下がらずに、ぐいぐい来るんですよ。痛い、もうやめて~って」
大野均ちゃんは?
「均さんも、よく押してくれるけど、ときどきサボるんです。そういうときは、『均さん、来て、来て』って。すると(均さん)髪をかきあげる~って感じで」(笑)
知念選手は、ハンマー投げからラグビーに転向して驚いたことがいくつかあるのだが、そのひとつが、「アフターマッチファンクション」だったという。「ハンバー投げの時は、戦ったあとに一緒にファンクションするとか、考えられなかったです。でも、それが今は楽しみです。僕はずっとラグビー界にいた人間ではないので、試合のたびに知り合いが増えて、いろんな話ができて楽しいです」。
試合後のファンクションではだいたい両チームのフロントローが固まり、ずっとスクラムの話をしているという。「お前、あのとき落としただろう? 『ああ、どうもすみません』、そんな感じですよ。それなのに反則はこっちがとられていたり(笑)」(湯原)
スクラムとラインアウトの話は奥が深かったけど、思わず「へぇ~」の小ネタ満載。2人のトークが軽妙だったので、お客さんも大いに楽しんでいた。スクラムトークは、またやりたい。
ちなみに、知念雄の「雄」は、お父さんが「日本の雄になれ」とつけたそうだ。そうなってほしいなぁ。

村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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