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日本代表対スコットランド代表第2戦は、21-16というスコアでスコットランドが勝ち、日本ツアーを2戦2勝で終えた。80%以上の湿度という蒸し暑さの中で、日本代表は前半からテンポアップした攻撃を見せる。スコットランドSHヘンリー・ピアゴス、日本のSO田村優がPGを決めあい、6-3とスコットランドリードの前半19分、日本代表の質の高いトライが生まれた。
自陣22mライン内の位置でのラインアウトから、左オープン展開。田村とCTB立川理道がループプレーを仕掛け、田村からWTBマレ・サウ、FB松田力也にボールがわたり、ハーフウェイラインまで前進。そこから右オープンに展開し、NO8アマナキ・レレィ・マフィが3人のタックラーを引きつけて、FL金正奎にパスを返し、さらに内側にサポートしたSH茂野海人が中央にトライ。3万人以上の観衆を大いに沸かせた。
前半を終えて、13-9と日本代表がリード。第1戦では6割以上スコットランドにボールを保持されたが、この日の日本代表はよくボールをキープし、前半は51%のボール支配率だった。しかし、ミス、反則でチャンスを逃す場面も多く、後半に向かってはそこをいかに減らせるかがポイントだった。
後半に入ると、スコットランドは、FW第一列をすべて入れ替えるなど、日本にプレッシャーをかけ始める。互いにPGを決めあい、16-15と日本が1点リードで迎えた後半20分過ぎ、日本は怒涛の連続攻撃を仕掛け、ゴールラインに迫る。途中出場の小野晃征も何度もラインブレイクし、26フェイズに及ぶリサイクルであと一歩までボールを運び、最後は小野がポスト右に飛び込んだのだが、スコットランドの激しいタックルでボールがこぼれてしまう。ここで獲りきれていれば勝てた可能性は高い。
しかし、27分、スコットランド陣内中盤のラインアウトで、まっすぐ投げ入れないノットストレートの反則を犯し、相手ボールのスクラムでは、アーリープッシュでフリーキックを与え、そこからのハイパントをノックオン、そしてスコットランドボールのスクラムでは相手の狙い通り反則を取られ、交代出場のSHグレイグ・レイドローに逆転PGを決められた。反則とミスの連鎖である。勝敗を分けたこの数分の攻防については、スコットランドが上手だった。接戦を勝ち抜く、しぶとさは見習うべきところだろう。
スコットランドのヴァーン・コッターヘッドコーチは、「選手達が相手にいいプレッシャーをかけていたところは良かった。エリアもコントロールできました。このタフなコンディションでは、キック(PG)は、大切になると思っていました」と淡々と語った。「日本代表は思っていた以上にタフでハイテンポなゲームをしてきました。いい経験ができました」(先発SHヘンリー・ピアゴス)
日本のマーク・ハメットヘッドコーチ代行は、「選手達を誇りに思う。素晴らしい試合を見せてくれた」と話し始めたが、「不公平なジャッジをされた印象は強い」と、レフリングへの不信感を「(日本の選手に対して)リスペクトがない」という言い方で批判した。「日本のラグビー選手が本当に頑張って力を上げているのに、それが分かってくれていない」と悔しさをあらわにした。
堀江翔太キャプテンはベクトルを自分達に向けた。「(負けたことは)非常に残念です。個々の能力をもっと上げないといけないし、もっとゲーム理解も高めないといけない。これから選手は各チームに戻りますが、選手個々がベクトルを自分に向けて、上を目指して個々の能力を高めなくてはいけない。小瀧や金、松田など、若い選手がクロスゲームの経験ができたことは良かったと思っています」
■試合結果
味の素スタジアム 観衆:34,073人
日本代表●16-21○スコットランド代表(前半13-9)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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