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5月4日は早朝に京都を発ち、福岡県宗像市にあるグローバルアリーナに向かった。4月28日に開幕した「サニックスワールドユース交流大会2016」の決勝トーナメントを取材するためだ。毎年恒例になったが、今年もJSPORTSでこの大会のハイライト番組が放送されるので、試合を見て注目選手を決め、コーチや選手にインタビューした。その内容は番組で見ていただきたいのだが、きょうは、東福岡高校の見事な攻撃を見て、感心させられっぱなしだった。
この大会は世界唯一の、単独高校チームによる世界大会。ニュージーランドは毎年、前シーズンの高校王者がやってくるし、南アフリカも国内のランキングでトップ10のチームから選ばれてやってくる。日本の高校も8チームが参加するのだが、決勝トーナメントに勝ち上がり、ベスト4に食い込んだのは東福岡高校のみ。きょうは、イングランドからやってきたトルロ・カレッジとの準決勝に臨み、縦横無尽にボールを動かして攻め、終わってみれば、67-7という大勝だった。
トルロは体格的には大きいが、ややフィットネス不足。東福岡は、「前半我慢して後半勝負」(NO8箸本キャプテン)と、12-7で折り返した後半にトライを畳み掛けた。NO8箸本、FL吉永、福井のFW第三列が何度もディフェンスを破り、BKはストレートランと正確なパスで、タッチライン際を何度も駆け抜けた。後半は春に入学したばかりの1年生も出場するなど選手層の厚さも見せつけた。藤田雄一郎監督は「相手は途中で(精神的に)切れましたからね」とスコアには関心を示さなかったらが、選手達のパフォーマンスには満足げ。「この大会のタイトルを獲ろうと、フィジカルトレーニングに取り組んできました。その成果が出てコンタクトで負けていませんでしたね」。

春の選抜大会覇者の東福岡は、本気でこの大会のタイトルを獲りに来ている。「日本代表は南アフリカに勝ち、高校日本代表はU19スコットランド代表に勝った。海外のチームに勝てないなんて、言っていられませんよ。2019年のラグビーワールドカップも近づいています。高校も高いレベルで考えないといけません」。藤田監督の言葉は頼もしい。東福岡に限らず、全国の高校から目標にされるチームとして、しっかりしたスキルを身に着けたラグビーをしていこうという意識は、他のチームの指導者の皆さんからも感じた。
もう1試合の準決勝は、南アフリカのグレンウッド・ハイスクールが、29-12でニュージーランドのロトルア・ボーイズハイスクールを下した。明日の決勝戦は、グレンウッドと東福岡の対戦となった。日本チーム初の優勝なるか。いい勝負になると思う。13:50キックオフ。この試合は、JSPORTSのオンデマンドで視聴可能(実況・解説は無し)。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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