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3月4日の夜は、高田馬場のノーサイドクラブでのトークライブだった。ゲストは、東芝ブレイブルーパスの吉田朋生(写真右)、藤井淳(写真左)という2人のスクラムハーフ。2人がゲストのトークライブも数十回やってきたけれど、SH2人というのは初めてだった。

吉田選手は東芝に入って12年目、藤井選手は11年目。ずっとライバルとして切磋琢磨してきた。2人とも日本代表キャップを保持しており、吉田選手は2007年、2011年のワールドカップの出場経験があり、藤井選手は2012年のエディー・ジャパン始動時のメンバーだった。「つま恋での合宿、いきなり4部練習できつかったですよ。僕はすぐに外れましたけど、その練習を4年間続けて結果を出したメンバーを尊敬します」。吉田選手といえば、抜群のフィジカルで力強いSHとして活躍、フィットネスの面でもチームではずっと一番だったのだが、「それが今は2番です」とのこと。明治大学から入社2年目のSH山口修平選手が一番なのだとか。「きょうは勝てると思って抜こうとしたら、それを感じでスピードを上げられる。心が折れますよ」。
現在、SHとして東芝でレギュラーなのは、小川高廣選手。2人の評は「とにかく速い」だった。ちなみに、藤井選手が絶対的に認めるSHは、フーリー・デュプレア。「サントリーと対戦した時、この人には勝てないと思いました」。パスも正確、ディフェンスも強く、キックも上手く、パス出しのタイミングも相手を見ながらコントロールできる。すべてを兼ね備えているということ。吉田選手はジョージ・グレーガン。「万吉さん(渡邉泰憲、故人)に聞いたことがあるのですが、ディフェンスに立っているとグレーガンと目が合うそうです。すると動けなくなる。こっちを見て、行くぞという顔をする。そこからパスを出すから、一瞬、次のディフェンスの行くのが遅れるわけです」。
投げやすいSOについても話が出たのだが、2人が挙げたのが元東芝の島崎正吾さん、2人の大先輩だが、「島崎さんは神です」と藤井選手。「あつ、ミスった、と思ったパスを難なく捕ってくれる。全部、いいパスにしてくれる」。「的が広いSOはやりやすい。島崎さんは、このへんでいいよって感じなんですよ」(吉田選手)。島崎選手のことは、アンドリュー・マコーミックさんはじめ、東芝に在籍した外国人選手が口をそろえて「ニュージーランドなら州代表になる。なぜ日本代表に選ばれないのか分からない」と言っていた伝説の選手だ。
その他、身長、体重のほんの1㎝、2㎏へのこだわりなど、小さい選手ならではの笑える話が満載だったのだが、それはまた別の場所で紹介したいと思う。
吉田選手、藤井選手ともにまだまだ現役を続けるので、円熟したプレーを見せてくれるのを楽しみに待ちたい。ゲストのお2人、参加者の皆さん、ありがとうございました。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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