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12月28日も、東大阪市の花園ラグビー場にいた。今年もJSPORTSの解説者として全日程通わせてもらえる。ありがたいことだ。きょうもたくさんの好勝負があった。記念大会枠の筑紫(福岡)と、初出場の東京朝鮮の戦いも白熱した。空中にいる選手への勢い余ったタックルなどでシンビン(一時退場)を2人出してしまった東京朝鮮だが、ドライビングモールを軸に反撃し、詰めかけたサポーターの大声援を受けて最後まで競り合う内容に。最後は筑紫が突き放したが、手に汗握る戦いだった。同じく福岡県代表の東福岡の部員が筑紫に声援を送る感動の場面もあった。
もっとも競った展開になったのは、滋賀の光泉と、神奈川県の東海大相模。最後の最後の決勝PGで13-10と、光泉が勝利した。どちらの選手も涙、涙。初出場の函館ラサールも、花園の常連である長崎北陽台に対して、先手をとって仕掛け続け、何度もラインブレイクし、ディフェンスでも粘ったが、12-42で敗れた。北陽台の品川監督は、「予想以上に強かったです」とコメント。函館ラサールの沖野玄キャプテンは、「雰囲気にのまれずにプレーできたのですが、力不足だったということです」と潔く語った。荒木竜平監督は、「本気で勝とうとしたし、勝つための準備もしてきました。モールのディフェンスは技術ですから、その落とし込みが足りなかったと思います」と、何度も押し込まれたモールの防御を振り返った。報道陣から、選手はよくやったのでは?と問われると、「ラサールが花園に出るだけでも凄い、と言われるのだけはやめようと選手と話していました。我々が嫌ってきた言葉です。だから悔しい」と話した。一つのラグビーチームとしてラグビーで評価を受けたかった、だから勝つことが必要だったということなのだろう。
明和県央(群馬)に敗れた土佐塾の西村監督は、報道陣の問いかけに何度も何度も考え込んだ。「26年間指導していますが、難しいものですね」。選手の持てる力を、この花園で100%出させてやることの難しさのことである。土佐塾の挑戦は、これからも続いていく。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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