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12月27日、第95回全国高校ラグビーフットボール大会が開幕した。茗溪学園の高橋良典キャプテンの選手宣誓は、日本代表が世界に勇気を与えたという内容も盛り込み、これまでのキャプテンと同等以上に立派なものだった。開会式の後で行われた、U18花園女子17人制の東西対抗もレベルの高い試合だった。特にタックルの間合いのつめ方、どの選手も上手かった。高校大会のガイドブックが付録になっているラグビーマガジンン2月号の表紙はサクラセブンズの4選手だったが、昭和47年の創刊以来、初めて女子選手が表紙になったことを毎日新聞が夕刊で取り上げていた。僕が編集部にいた、1980年代後半から日本の女子ラグビーは始まったのだが、感慨深い。
毎日新聞=http://mainichi.jp/articles/20151226/k00/00e/040/232000c
高校生の試合は、初日から熱戦が相次いだが、深谷(埼玉)が逆転で尾道(広島)を下し(18-15)、佐賀工業もシーソーゲームの末、春日丘(愛知)を、24-21で破った。深谷には、筑波大学の山沢拓也選手の弟・山沢京平選手がFBで先発し、試合を決めるPGを成功させるなど非凡な才能を披露した。
僕は北海道の遠軽と愛媛の北条の対戦を解説し。序盤こそ北条がいいディフェンスを見せたが、次第に遠軽のパワフルなFWが力を発揮し、突き放した。試合後、北条の新居久直監督に話を聞いた。話しているうちに監督の頬を涙がつたった。「不器用ながら一生懸命やってくれた選手たちに感謝です。遠軽はいいチームでした。想像以上にプレッシャーを受けました。花園って...、この1時間のためにすべてを賭けて、いろんなものをみんなが犠牲にして...、364日と23時間準備して...、あっという間に過ぎてしまう...、でも、幸せな時間でした。また、364日と23時間かけて準備して戻ってきます...」。
明日からもまた、すべてを賭けてやってきたチームの熱い戦いが見られる。それは、我々見る側にとっても幸せな時間だ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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