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ラグビーワールドカップ(RWC)2015は、10月31日、トゥイッケナム競技場で決勝戦が行われ、ニュージーランド代表オールブラックスが、34-17でオーストラリア代表ワラビーズを破り、RWC史上初の連覇、大会3度目の優勝を飾った。

非常に質の高い試合だったので、もしまだご覧になっていない人がぜひ見てほしい。プレーヤーも勉強になると思う。試合内容については、ラグビーマガジンなどにレポートを書くので、感想だけにとどめたいが、チャレンジャーとして果敢に戦ったワラビーズがあってこその好勝負。まずはワラビーズを讃えたい。スコット・ファーディー、マイケル・フーパー、デヴィッド・ポーコックのFW第三列、ほんとにタフな男たちだ。
オールブラックスはボール保持時間も、地域獲得でも優位に立った。前半38分あたりのトライは、しびれた。コンラッド・スミス、アーロン・スミス、リッチー・マコウ、ネヘ・ミルナースカッダー。このボールの動き、各選手がタックルを受けないように考えて走ったコースどり、それぞれが絶妙のタイミングで動いており、思わずうなった。
オールブラックスは、後半序盤にFBベン・スミスが危険なタックルでシンビン(10分間の一時退場)となって苦しい戦いを余儀なくされる。ワラビーズはモールからのトライで21-11と差を詰めると、BKが一人欠けたオールブラックスの背後にキックを使って防御を揺さぶり、CTBクリンドラニがトライして4点差まで追い上げた。
「これがワールドカップのファイナルだ。何をすべきか全員が分かっていた。焦ることはなかった」(リッチー・マコウキャプテン)。試合を決めたのはオールブラックスの至宝ダン・カーターだった。何をすべきか分かっている男である。29分にドロップゴールを決めると、33分には約50mのPGを決めて、27-17と安全圏へ。最後は、ワラビーズのミスボールを拾ったベン・スミスがワラビーズ陣内深くにボールを蹴り込み、交代出場のボーデン・バリットが快足を飛ばして、インゴールまでボールを運んで勝負を決めた。
あれ、けっこう内容を書いてしまった。まあ、良しとしよう。
世界最優秀選手3度受賞、148キャップ目のリッチー・マコウ、世界最優秀選手2度受賞のダン・カーターほか高いレベルの経験を積み重ねた選手たちと若手が調和した見事な優勝だった。そして、ラグビーの面白さ、奥深さを見せてくれた両チームに感謝したい。
JSPORTSで解説させてもらって、5大会目の決勝戦だった。個人的好みで言えば、この決勝が一番好きかもしれない。
追記◎なお、生放送では入らなかった、オールブラックス勝利のハカは、リピート放送では入るので、そちらもご覧ください。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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