人気ランキング
コラム一覧

9月18日(日本時間9月19日)、ロンドンのトゥイッケナム競技場で第8回ラグビーワールドカップが幕を開けた。冒頭の写真はキックオフ3時間ほど前から続々と詰めかける観客。トゥイッケナム競技場内には数えきれないほどバーなど飲食ブースがあり、ビールが飛ぶように売れていた。
開会式は、ラグビー発祥のエピソードの映像から始まった。1823年、ラグビー校でのウィリアム・ウェブ・エリス少年のルール破りである。そのとき行われていた「フットボール」とは、手を使う競技だった。「ボールを持って走ってはいけない」というルール破りだったのだ。これをサッカーと誤解している人が多いのだが、サッカーが競技として整えられるのは、もっと後のこと。
そしてエリス少年が蹴った楕円球がトゥイッケナムの芝生の中央に突き刺さり、そこに道ができ、ラグビー史にその名を残すレジェンドが誕生する。参加20カ国を代表するそれぞれのレジェンドは、アルゼンチンのアグスティン・ピチョット(RWC2007、3位のキャプテン)、オーストラリアのマイケル・ライナー(RWC1991優勝のSO)らが次々に。そして、日本はテストマッチのトライ数世界記録を持つ大畑大介が登場。20人がボールを掲げる姿は、圧倒的にカッコよかった。開会式の最後はイングランド・ラグビー協会のバイス・パトロンであるヘンリー王子、ワールドラグビーのベルナール・ラパセ会長の開会宣言で締めくくられた。観客は、8万0015人の発表。英国のキャメロン首相、王室のウィリアム王子とキャサリン妃らも観戦した。

開会式の国歌斉唱では、フィジーのネマニ・ナドロの頬を涙がつたった。イングランド国歌の大合唱はすさまじい大音量。フィジーのウォークライ(シンビ)は、「スウィングロー、スウィートチャリオット」の大合唱で雄叫びが聞こえない。こんな始まりの試合が面白くならないわけはなかった。
午後8時キックオフ。フィジーは立ち上がりにミス、反則を連発し、心配された規律面でイングランドに主導権を握られてしまう。前半21分、イングランドFBマイク・ブラウンがトライした時点で、15-0。その5分後、フィジーはハーフウェイライン付近の右隅のスクラムからSHニコラ・マタワルが右ショートサイドを駆け抜けてトライかと思われたが、イングランドのWTBジョニー・メイ、FBマイク・ブラウンがタックルしながら、マタワルがゴールラインに伸ばした手を下から持ち上げ、ノックオンを誘う値千金の防御を披露。RWCレベルのゴールラインをめぐる攻防のすさまじさを見せつけた。
しかし、直後のフィジーは、SOベン・ヴォラヴォラのキックパスをインゴールで受けたWTBネマニ・ナドロがトライして、15-5とすると、その後もPGなどで差を詰め、一時は18-11と7点差とした。スクラムでも健闘していたのだが、イングランドは、NO8ビリー・ヴニポラ、CTBサム・バージェスらパワフルな選手を投入して防御を破り始め、スクラム、モールで圧力をかけ、マイク・ブラウンが2つ目のトライで、28-11。最後はヴニポラがチーム4トライ目をあげ、35-11で勝利した。苦しみながらも、4トライ以上をあげてボーナス点を奪う会心のスタートである。
RWCレベルの防御の堅さ、各選手のリアクションの早さ、危険なプレーに厳しいレフリングなどなど、さまざまなことを感じる開幕戦だった。また、今大会は選手が相手の反則を誘うような演技をすることや、レフリーへの抗議についても厳しく反則が科されるようだ。
さあ、今夜は日本代表が南アフリカ代表と対戦する。先発予定だったクレイグ・ウイングが、ふくらはぎの怪我を再発させて欠場。立川理道が12番、リザーブには田村優が入る。

JSPORTSは、現地では僕と矢野さんで実況解説。日本のスタジオ解説は、2003年、2007年大会のキャプテン箕内拓郎さん、2007年大会のカナダ戦の同点ゴールを決めた大西将太郎さんが務める。
追記◎「見逃すな!ラグビーワールドカップ」 ファンの皆さん必見の動画が日本語字幕付きで紹介されています。各国代表選手やレジェンドが出演。これを見ると、2019年へのモチベーションも高まりますよ。
https://twitter.com/rugbyworldcupjp/status/644779434260598784
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【限定】ラグビーワールドカップ2027 オーストラリア大会 プール組分け抽選会
12月3日 午後6:00〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ 埼玉ワイルドナイツ vs. 東京サンゴリアス
11月29日 午後12:50〜
-
ラグビー 関東大学対抗戦2025 帝京大学 vs. 慶應義塾大学
11月30日 午後12:50〜
-
【限定】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 メディアカンファレンス
12月2日 午後1:55〜
-
ラグビー 関西大学リーグ2025 京都産業大学 vs. 天理大学
11月30日 午後1:50〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ トヨタヴェルブリッツ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
11月29日 午後12:50〜
-
【限定】ラグビー 関東大学リーグ戦2025 関東学院大学 vs. 日本大学
11月29日 午後1:50〜
-
【限定】ラグビー 関西大学リーグ2025 関西大学 vs. 摂南大学 / 立命館大学 vs. 同志社大学
11月30日 午前11:35〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!
