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7月31日の夜は、町田市陸上競技場に行っていた。南アフリカのブルー・ブルズ対キヤノンイーグルスの試合を、今回は取材というより楽しく観戦した。メインスタンドでは、ショショローザを歌い踊る南アフリカの人たちの姿もあった。「大きい」、「デカイ」、「速い」、ブルズの選手たちを見て、そんな驚きの声もあちこちから上がった。
序盤はキヤノンが粘り強くディフェンスし、14-3で押し返したが、後半はディフェンスの出足が鈍り、ブルズの攻撃力が爆発した。パワフルに縦に切り裂くトライもあれば、自陣22mライン内から一気につなぐトライもあり、最終スコアは、50-3となった。キヤノンとしては、山本貢、庭井祐輔というHOが立て続けに負傷し、ノンコンテスト(押し合わない)スクラムになったのは痛かった。スクラムに関しては優位に立っていたからだ。(※FW第一列は専門職の選手が負傷などでいなくなった場合は、安全対策のためノンコンテストとなる)。ときおり、激しいタックルで観客を沸かせたがノートライに終わった。

ブルズの選手たちはアスリート揃い。ユース五輪の円盤投げ金メダリストのジャック・デュプレッシー(201㎝、119㎏、21歳)も非凡な能力を発揮したし、南ア代表6キャップのFLデオン・ステフマン、キャプテンを務めたFLピーター・ラブスカグニの働きも目立っていた。最後のトライを決めたダン・クリエルは、現南ア代表CTBジェシー・クリエルの双子の兄弟。大きなストライドでタックルを振り切っていた。
「トライがとれなかったのは残念ですが、この経験を必ず次につなげたい」とキヤノンの永友洋司監督。ゲームキャプテンを務めたCTB三友良平は、「ブルズのブレイクダウン(ボール争奪局面)は激しくて、強くて、しつこかったです。一発ではがそうとしても粘って立っている。トップリーグでは経験できないブレイクダウンです」と語った。
この日は、座っているだけでも汗ばむ気温と湿度だったのだが、ブルズの選手はブレイクダウンで妥協のないファイトを続けた。まもなく南アフリカの国内州代表選手権のカリーカップが始まるので仕上がりが良いこともあるが、そのメンタルの強さを再認識させられた。日本の選手たちがもっとも見習うべきところかもしれない。
お知らせ◎ラグビーワールドカップ全48試合を生中継するJ SPORTSと、日本代表オフィシャルサプライヤーのJALが共同で、日本代表選手とヘッドコーチが出演するプロモーションビデオが制作された。8月1日以降、J SPORTSのホームページ等で見ることができる。
<J SPORTSホームページ>
https://www.jsports.co.jp/rugby/worldcup/
<J SPORTS公式YouTubeチャンネル>
https://www.youtube.com/watch?v=kBRqv4QgbLU
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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