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8日は、トヨタ自動車ヴェルブリッツのクラブハウスに行っていた。とはいえ、取材したのは、OBのお2人。写真だけで存在感抜群の高橋一彰さん、ロペティ・オトさん。ラグビーワールドカップ(RWC)2019組織委員会のサイトで紹介される、「「My Rugby World Cup Stories」のインタビューだった。
http://2019-all-for-japan-team.jp/
先に取材を終えた高橋さん、待機していたオトさんに言った。
「太り過ぎやろ〜、何キロあんねん」
「130キロな」
「どっちがプロップか分からへんがな」

久しぶりに会ったみたいで、がっちり握手していた。2人とも元日本代表選手であり、高橋さんは1991年、1995年RWCのメンバー、そしてオトさんは1995年のメンバーだ。トヨタ自動車株式会社の社員として、高橋さんは三好工場・明知工場工務部、オトさんは元町工場工務部に勤務している。
懐かしい話が続き、「あっ、それ、覚える!」と言うエピソードが多く楽しい取材だった。高橋さんは大阪体育大学時代、僕の3学年下。僕が4年生でニュージーランド遠征したとき、1年生で3人だけ選ばれたメンバーの一人だった。そのとき一緒に観戦したオーストラリア代表とカンタベリー州代表の試合(1986年8月)に感動し、ラグビーを続けていこうと思ったのだとか。「カンタベリーが勝ったのですが、めちゃくちゃすごい試合で、僕らのやっているのが子供のラグビーに感じたほどです」。その時のカンタベリー州代表のFBはロビー・ディーンズさんだった。
1991年RWCの前に行われたジャパンBのジンバブエ遠征には僕も同行したのだが、その時のジャパンBは、高橋さんはじめ、太田治、薫田真広、宮本勝文、高橋善幸、清宮克幸、大内寛文ら、のちに指導者としても実績を残すメンバーばかり。この遠征での情報収集が1991年大会での勝利に結びついたのは言うまでもない。宿沢広朗監督の英断だった。
オトさんは、1990年に来日し、大東文化大学に入学するのだが、トンガでも代表候補で、すでに7人制トンガ代表で国際大会に出場し、なんと13人制のラグビーリーグのトンガ代表にも17歳で選ばれていた。ものすごい逸材が大東大に入って学生日本一に貢献したわけだ。もちろん、当時は二カ国にまたがって代表になれたので、トンガ代表になっていても日本代表でRWCに出場することはできたのだけど。「我々トンガの人間を受け入れてくれた日本ラグビーに恩返ししたい気持ちは、すごくある」と話し、現在は、春日丘高校ラグビー部の指導にあたっている。
たまには、懐かしい話もいいものだ。2人とも、ありがとうございました。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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