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東芝ブレイブルーパスの立川剛士選手が、公式戦3試合出場停止の処分を受けた。サントリーサンゴリアス戦での危険な行為に対する処分。日本ラグビーフットボール協会規律委員会によるもの。公式発表は以下の通り。立川選手は決勝戦には出られなくなった。
■競技規則・規律違反の内容と処分
該当選手:立川剛士選手(東芝ブレイブルーパス)
違反:危険なプレー(競技規則第10条4-a、c)
後半38分=サントリーサンゴリアスの選手への危険なプレー(拳および膝での殴打、蹴ること)
処分内容:公式戦3試合の試合出場停止
※出場停止対象試合:
第51回日本ラグビーフットボール選手権大会 決勝、
日本ラグビーフットボール協会主催試合、IRB(国際ラグビーボード)の承認した国際試合、ならびに日本ラグビーフットボール協会の承認した試合 計3試合
殴る、蹴るという行為は激しいプレーとは異質の危険な行為なので処分は当然ですが、この反則前後の事象について、僕なりの見解を書いておきたいと思います。
まず、ラグビーという競技は、試合中、常に相手とつかみ合い、引っ張り合っている競技です。モールやラックといった密集戦に相手を巻き込むことでディフェンスの人数を減らして、スペースを作って攻める。これは、どのレベルのチームも普通に行っていることです。モールやラックに参加している選手間での引っ張り合いは正当なプレーです。またモールから離れようとする選手がジャージをつかまれて怒っていることがありますが、これも一連のプレーで致し方ないシーンです。密集周辺では常にこのようなことが行われており、それがエスカレートして密集から離れた位置にいる選手を押し倒したり、引っ張り合うことも、ときおり起こります。ここは、レフリーがしっかり見て、モールにもラックにも参加していない選手のオブストラクションは反則を取るべきです。
今回の件は、ラックに参加しようとした立川選手をサントリーの選手が引っ張っています。ラックに参加していない選手なのでオブストラクションの反則(ペナルティー)だと思います。もし、立川選手が報復行為をしなければ、引っ張っていた平選手が反則を取られて終わるべきシーンです。しかし、ペナルティーは両チーム同時には出ません。原則として後の報復行為がペナルティーになります。ですから東芝にペナルティーが科されるのもラグビーのルール上、致し方ないのです。いずれかのチームに科したペナルティーが、その後の報復行為や過度のクレームによって瞬時に覆ることは国際試合でも珍しくありません。
ただし、その原因となった選手も処分すべきだし、少なくとも注意はするべきです。この場合は、東芝にペナルティーを科した上で、両選手にイエローカードを出すか、平選手にイエロー、立川選手にレッドが適当だったと思います。もちろん、レフリーが反則をとるかどうか以前に、選手が自ら反則をしないように心掛けることが最も大事なのは言うまでもありません。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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