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2月16日は、近鉄花園ラグビー場だった。日本選手権1回戦の2試合を取材、解説(2試合目、JSPORTS)した。
第1試合は、神戸製鋼コベルコスティーラーズが慶應義塾大学から16トライを奪って大勝。キックオフ直後から神戸製鋼はFW、BKが華麗なパスまわしで縦横無尽にボールを動かし、CTB田邊、WTB大橋、SO正面が次々にゴールラインを駆け抜けた。慶應もFB児玉がスピーディーなランでチャンスを作ったが、トライには至らず。後半も神戸製鋼は途中出場のCTBフレイザー・アンダーソンがパワフルに前進して攻撃の起点となり、NO8マパカイトロらのトライを引き出した。ノーサイド直前には慶應が攻め込んでスタンドを沸かせたが、途中出場のFB濱島がターンオーバーから約100mを走りきって三ケタに乗せた。
第2試合は、東芝ブレイブルーパスに筑波大学が挑戦。次第に点差は開いたが、接点で筑波が健闘し強力FWへ果敢に挑んだ。SO山沢のインゴールへのグラバーキックにWTB福岡が反応してのトライ、山沢のブラインドサイドへのトリッキーなキックをWTB山下がキャッチしてインゴールに駆け込んだトライなど、胸のすくプレーに観客席が沸いた。SH内田啓介の速攻を山沢がサポートして、4トライ目をあげるなど山沢の非凡さは随所に見られた。「東芝は強かったです。キックによるトライは練習していたのですが、上手くいっていなくて不安を抱えながらのプレーでした」と、山沢はいつもの通り控えめだったが、スーパーラグビーのレッズSOクエイド・クーパーを彷彿させるプレーだった。
東芝はアグレッシブに攻めながら筑波に止められることが多く、フラストレーションのたまる試合だったろう。それでも、怪我から復帰のリーチマイケル、山本の両FL、NO8豊田らが何度もゲインラインを切り、BKにつないだ。WTBで先発したクーパ・ブーナは大きなストライドでパワフルに突進。筑波防御陣を何度も翻弄した。CTBリチャード・カフイも攻守に安定したプレーを披露した。「いい準備をして、向かってきてくれた筑波大学に敬意を表します。少し受けてしまった面がありました」と東芝の和田監督。日本一奪還まであと3つ。視線は2回戦を見据えていた。
◇第51回日本選手権大会・1回戦結果
早稲田大学●16-36○ヤマハ発動機ジュビロ(前半11-24)
帝京大学●13-38○トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半3-17)
慶應義塾大学●0-100○神戸製鋼コベルコスティーラーズ(前半0-36)
筑波大学●26-69○東芝ブレイブルーパス(前半7-38)
◇2回戦組み合わせ
2月23日(日)、秩父宮ラグビー場
11:40 東芝ブレイブルーパス対トヨタ自動車ヴェルブリッツ
14:05 神戸製鋼コベルコスティーラーズ対ヤマハ発動機ジュビロ
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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