人気ランキング
コラム一覧
2月1日は、秩父宮ラグビー場だった。JSPORTSでトップリーグ・プレーオフセミファイナルのパナソニック対東芝の解説である。東芝の元監督の薫田さんと一緒だったので、その反応が興味深かった。結果から先に書けば、パナソニックの快勝だった。激しいコンタクトプレーで相手に圧力をかけていく東芝の強さは、この日は見られず、一対一のコンタクトでもパナソニックが勝っているシーンが多々あった。
開始3分、右に左に大きくボールを動かしたパナソニックが、SOベーリック・バーンズの素早いロングパスからNO8ホラニ龍コリニアシのトライで先制。14分には、SH田中史朗がラックサイドをついてトライを奪った。キックの応酬ではバーンズが的確にキックを使い、相手陣でセットプレーを得ては仕掛ける。約15間の攻防で、パナソニックの優位は明らかになった。これは薫田さんが何度も指摘していたが、パナソニックの選手はブレイクダウン(ボール争奪戦)での見極めが的確で規律があり、無駄な動きをしなかった。
前半を終えて、22-8。後半の立ち上がりに東芝に反撃のチャンスがあったのだが、ゴール前のラインアウトからのモールを押し込めず。逆に10分、パナソニックは交代出場のWTB三宅敬のインターセプトからCTB霜村誠一がトライし、30-8と突き放した。最終的には、パナソニックが8トライを奪う大勝だった。
東芝のゲームキャプテン望月雄太は「ブレイクダウンでのパナソニックの判断はよく、危機管理能力も高かった」と相手を称えた。勝ったパナソニックの中嶋則文監督は「23人がやるべきことをしてくれた結果です。泥臭く、ボールに対して貪欲に80分間プレーしてくれました」とコメント。堀江翔太キャプテンも、各選手の成長を褒めた上で、「決勝戦はベストのコンディションの選手を出したい。サントリーだろうが、神戸製鋼だろうが勝ちたい」とファイナルを見据えた。
ラグビーでは、10番の選手を「キング」と呼ぶことがあるが、きょうはまさに「キング・バーンズ」。的確なキック、パス、堅実なタックルでグラウンドを支配し、右に左に移動しながら防御を翻弄していた。18歳で13人制のラグビーリーグでプロになり、21歳でユニオン(15人制)のオーストラリア代表デビュー。競泳、クリケットでも実績を残すなど、抜群の運動能力がこの日もいかんなく発揮されていた。決勝戦でも間違いなくキーマンである。
■プレーオフセミファイナル結果(2月1日)
パナソニック ワイルドナイツ○55-15●東芝ブレイブルーパス(前半22-8)
■ワイルドカード1回戦結果(2月1日)
NECグリーンロケッツ○47-10●クボタスピアーズ(前半20-3)
ヤマハ発動機ジュビロ○46-0●豊田自動織機シャトルズ(前半18-0)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【限定】ラグビーワールドカップ2027 オーストラリア大会 プール組分け抽選会
12月3日 午後6:00〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ 埼玉ワイルドナイツ vs. 東京サンゴリアス
11月29日 午後12:50〜
-
ラグビー 関東大学対抗戦2025 帝京大学 vs. 慶應義塾大学
11月30日 午後12:50〜
-
【限定】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 メディアカンファレンス
12月2日 午後1:55〜
-
ラグビー 関西大学リーグ2025 京都産業大学 vs. 天理大学
11月30日 午後1:50〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ トヨタヴェルブリッツ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
11月29日 午後12:50〜
-
【限定】ラグビー 関東大学リーグ戦2025 関東学院大学 vs. 日本大学
11月29日 午後1:50〜
-
【限定】ラグビー 関西大学リーグ2025 関西大学 vs. 摂南大学 / 立命館大学 vs. 同志社大学
11月30日 午前11:35〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!
