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ラグビー コラム 2013年12月16日

藤島大トークライブ

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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16日夕方、毎日放送の情報番組「ちちんぷいぷい」で、東海大仰星高校の特集をやっていた。スタジオのコメンテーターには大畑大介さんがいて、レポートにいったのは、「たむけん」だった。モールで下着姿にされていた。この時期になると、全国高校大会前の盛り上げ企画がちょこちょこと出てくる。そういえば、僕は、今週金曜日(20日)のABCラジオ(1008kHz)「武田和歌子のぴたっと。」の「ムキムキ!ノーサイド劇場」に出演予定。

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日曜日、僕は神戸でトップリーグの解説だったのだが、その夜は、ラグビー普及促進居酒屋の「ラグビー部マーラー」の今年最後のトークライブに臨んだ。ゲストはJSPORTSの解説やラグマガのコラムなどでラグビーファンにもおなじみのスポーツライター藤島大さん。大阪の藤島さんファンが集って大いに盛り上がった。藤島さんの哲学的な話や、コーチングのディテールが面白く、史上最多、満員のお客さんは身を乗り出している人が多かった気がする。

今回は、藤島さんのラグビーとの出会いや、そのラグビー哲学がどのように作られていったのかを聞いた。藤島さんのお父さんの勇一さんは修猷館高校、早稲田大学でプレーし、早稲田大学ラグビー部の監督も務めた人だ。親戚にもラグビーの有名選手が多く、ラグビー一家の育ち。子供の頃、日本代表対イングランド代表の伝説的名勝負(昭和46年)を観戦し、テレビにインタビューされたことがある。「あの、だーって走って出てくるところが好きですって、答えました」。藤島さんがラグビーを初めてかっこいいと思ったのは、NHKでやっていた五か国対抗ラグビーを見たとき。「フランスのロックが、キックオフ前に胸の前で十字をきって走って行った。かっこいいスポーツだと思いました」。

藤島さんは都立高校でラグビーをはじめ、早稲田大学ではスーパースターの本城和彦さんらと同期。名将・大西鐵之祐さんの薫陶を受けた。「でも、大学の時はあまり分かっていなかったですね。高校のときは映画とか音楽などに興味があって」。社会人になってから、スポーツニッポンの仕事をする傍ら、都立国立高校、早稲田大学のコーチも務めた。約10年のコーチ生活がラグビーに対する考え方を深めた。1987年のワールドカップに取材に行き、各チームの練習方法をメモし始めたのがコーチングにはまっていく始まりだ。でも、映画や音楽に造詣が深いことはコーチをする上ですごく役に立ったらしい。「彼女と小津安二郎の東京物語を見に行け。彼女が泣かなかったら別れろ。そんなことばかり言っていましたね(笑)」

僕も若いころは藤島さんと飲みながら、いろんな話を聞かせてもらったのだが、それが蘇ってすごく楽しい時間だった。立ち上がって、本物のシャローディフェンスのコース取りについて語る藤島さんは少年のようだった。刺激的な言葉がたくさんあったけど、それはまた藤島さんの文章で読んでいただくとしよう。ちなみに、お客さんへのプレゼントとして藤島さんが持ってきたのが、藤島さんが聞き書きした『叱るより、ささやけ』(奥田精一郎、新潮社)とう本だった。イトマンスイミングスクールの名誉会長がコーチングの真髄を語った本である。新品なのに帯がよれよれなのが、大さんらしかった。

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村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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