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ラグビー コラム 2013年6月4日

ウェールズ代表、花園で練習

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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201306041

4日は東大阪市の近鉄花園ラグビー場で、ウェールズ代表の練習を取材した。ディフェンスコーチのショーン・エドワーズ、ロックとフランカーの両方をこなすジェームズ・キングにもコメントが聞けた。8日のテストマッチをJSPORTSで解説するので、取材したことはそのときにも話したいが、エドワーズコーチにディフェンスシステムについて聞いてみると、「私の仕事は、ジャパンの攻撃を止めること」と詳しい内容は微笑みに包んだ。

BBCウェールズなど、本国からの記者に日本代表のことを質問され、「トンガは強いチームだ。日本はそのトンガとタイトな試合をしていた。いいコーチ(エディー・ジョーンズ)もいる。フィジー戦はコンディションが悪すぎて、あまり参考にならない。日本は個人というより、チームとして優れている」などと答えていた。キング選手は、オスプリーズ・クラブ所属。2009年のU20世界ラグビー選手権(JWC)のU20ウェールズ代表で来日している。「日本代表はフィットネス面で優れている。フィジー戦もあのコンディションの中でよく走っていた。出場できれば初キャップなので、ベストを尽くしたい」

午後3時からは、近鉄ライナーズとの試合形式の合同練習。近鉄ライナーズ応援くらぶの皆さんもやってきて、ライナーズの選手に声援をおくっていた。今回のウェールズ代表は、オーストラリア遠征のライオンズに15名が参加していて、1990年代生まれの選手が半数近くにのぼる若いチーム。それだけにモチベーションが高く、プロ集団らしく規律もしっかりしている。前日も花園ラグビー場でウエートトレーニングのあと、2時間半、みっちり練習したという。

体格は大きく、BKにも190センチ台の選手が多いので、ライナーズの選手達が小さく見えた。正代表のSOダン・ビガーの上手さは一目瞭然。攻守にラインを前に出す能力が高い。なにより驚かされるのは各選手の「速さ」だ。倒れてから起き上がるスピードも半端ではない。パワーというよりも、リアクションスピードで日本代表が圧倒されてしまうのではないかと危機感を抱いた。

この質の高いプレーは、ぜひとも多くの人に見てもらいたい。もちろん、好試合で日本代表が勝ってくれるのが一番なのだが、多くのラグビー関係者、愛好家が北半球王者チームのプロ選手達のプレーがいかなるものか、そして日本代表の現在地を目撃することが大切なのだと思う。生で見て、刺激を受けて、よく考えてほしいと思うのだ。東大阪市、関西ラグビー界あげての努力もあって、すでにチケットは一万枚以上売れているようだ。満員の花園で好試合を期待しよう。

最後の写真は、関西ラグビー協会会長であり、昨年、世界ラグビー殿堂入りを果たした坂田好弘さんに、ウェールズ代表から記念品が手渡されるところ。これを、BBCウェールズが取材をしていた。

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村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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