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ラグビー コラム 2013年5月5日

ワールドユース最終日

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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日韓戦の夜、博多に移動。5日は宗像市のグローバルアリーナに行っていた。サニックス2013ワールドラグビーユース交流大会は最終日。この大会の様子は、5月下旬にJSPORTSでダイジェスト版として放送されるので、番組の現場収録などを、小林深緑郎さん、谷口広明さんと行った。

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きょうのグローバルアリーナは快晴。この大会は、世界各国から8、日本から8の合計16の単独高校チームが勝っても負けても同じ試合数をこなし、すべての順位を決める。5日は、朝から最終順位決定戦が8試合行われた。日本勢の最高位は5位ということになったが、奈良の御所実業と地元・東福岡の戦いは、手に汗握る好ゲームになった。キックオフ早々に東福岡が大きく抜けだしゴールラインに迫ったが、御所実業が驚異的なカバーディフェンスでこれを食い止める。

6分、東福岡FB市橋が左中間にトライして、7-0。10分、今度は御所実業が東福岡BKラインのパスミスを拾ってWTB坂本がトライを返し、7-7の同点。FWの体格もBKの総力も東福岡が上に見えたし、ほんの少しでも御所実業がスキを見せれば、あっという間に大差になっただろう。ところが御所実業は東福岡の僅かなミスをすかさず得点に結び付け、後半7分には、21-14とリードを奪い、14分、WTB坂本が突き放すトライをあげる。この集中力の高さには驚かされた。

東福岡も猛反撃し、WTB岩佐のトライで21-26と5点差に迫って客席を沸かせたが、御所実業の粘りのディフェンスの前に時間切れとなった。試合中、選手へ辛口の指示を出し続けていた竹田監督は、勝利の瞬間、満面の笑み。コーチ陣と選手ががっちり握手して笑顔を見せる快勝だった。春の選抜大会では大阪桐蔭が優勝、今大会には、大阪桐蔭は参加していないが、選抜大会で大阪桐蔭と死闘を繰り広げた東海大仰星を東福岡が破り、御所実業は常翔学園、東福岡を破った。関係者の話では、神奈川の桐蔭学園、秋田工業の評価も高い。他にも伸びてくるチームがあるだろう。今年の冬の全国大会はいったいどうなるのか、ますます分からなくなってきた。

JSPORTSの注目選手で御所実業のFB竹山晃暉選手にインタビューした。目標はスーパーラグビーでプレーすること。詳しくは、放送をご覧ください。

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写真は試合後に健闘を称えあう両チーム。東福岡はいつも試合後の態度が清々しくて気持ちがいい。大会を通して規律正しく行動したチームを表彰する「グッドマナー賞」は、東海大仰星に贈られた。

決勝戦は、ニュージーランドのセントケンティガンカレッジと、イングランドのハートプリーカレッジの対戦となった。試合前の国歌吹奏が緊張感を高めた。ニュージーランドとイングランドの決勝戦は実に4年連続で、過去3年はニュージーランドの高校が勝っている。今回のハートプリーカレッジは今大会にやってきたイングランドのチームでは史上最強と言われていて、今年こそ、と意気込んでいたのだが、負傷や体調不良もあって、決勝戦ではやや元気がなく、ケンティガンの卓越した個人技の前に次々に防御を破られた。

ケンティガンのSHサム・ノック、CTBティジェイ・ファイアネ、WTBスリアシ・ヴニヴァル、このあたりは、いずれスーパーラグビーで出てきそうな選手達だ。ケンティガンは昨シーズンのニュージーランド高校王者、新シーズンは今週の土曜日から始まるとのことで、タイ・ラヴェアヘッドコーチは、「きょうはディフェンスが良かった。大会を通していい経験ができました。次のターゲットは再びニュージーランドの選手権で優勝することです」と笑顔で話していた。

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大会の詳細記録は、公式ホームページをご覧ください。
http://sanix-sports.info/rugby/diary.cgi?field=2

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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