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13日は、国立競技場だった。午後1時からの全国大学選手権の決勝は、立ち上がりに両大学にミスが連鎖したが、徐々に帝京大学が攻勢に出る。自陣からでも攻撃を仕掛け、FW周辺、権、荒井の両CTBの縦を軸にボールを前に運んだ。対する筑波はタックル後のジャッカルでボールを奪おうとするのだが、帝京の2人目以降の寄りが素早く、逆に乗り越えられて、反則が多くなった。
前半14分、帝京SO中村のPGで8-3となった直後、筑波は、WTB彦坂が個人技でゴールラインに迫り、帝京の反則を誘ってPKを得る。正面近くだったので、PGで2点差に詰める手もあったが、タッチキックでラインアウトからの攻撃を選択。ここで反則をとられて切り返され、SO中村にトライを許して、15-3と突き放される。結果的にこの選択は試合の流れに大きく影響した。32分、筑波はWTB福岡がタッチライン際で自ら上げたショートパントをキャッチしてトライを返したが、前半は、22-10と帝京リードで折り返す。
後半の序盤、筑波に何度か挽回のチャンスが巡ってきたのだが、PKからのタッチキックをインゴールに蹴り込んでしまったり、ノックオンするなど、そのたびミスが出た。10分、帝京はFL松永のトライで、29-10。16分、SH流の素早いパスから流れるようなラインアタックでPR森川が右コーナーに走り込み、34-10とリードを広げた。筑波も、WTB彦坂がトライを返すなどしたが、時すでに遅かった。
試合後のお立ち台では、岩出雅之監督、泉敬キャプテンともに、興奮気味だったのが印象的。「(選手の動きは)最高でした!」と岩出監督。泉キャプテンも「ありがとうございます!感謝の気持ちでいっぱいです!」
記者会見では当然ながら、冷静に試合を振り返った。自陣から攻めることが多かったことについて岩出監督は、「筑波の両WTBはカウンターアタックの能力が高い、我々がそうしたプランを遂行できるようになってきたということです」と、チーム力が上がったからこそ、ボールを動かしながらキープできるようになった。それが筑波の良さを消すことにつながったことを説明した。泉キャプテンは、「対抗戦で筑波に負けてから、あの悔しさをエネルギーに変えようと言ってきました。筑波大学にさまざま学ばせてもらったことに感謝したいです」とコメントした。
敗れた筑波大の古川監督は、「頂点に立つ力がなかったです。誰一人、満足はしていません。ただ、学生の一年の頑張りは誇りに思っています」、内田キャプテンも「帝京が我々より強かったことが証明された試合。日本一を目指してきたので悔しいです。帝京は12月と接点の強さが全然違いました」と、ともに潔く語った。
四連覇は、大学選手権史上初。
■全国大学選手権決勝戦・結果
帝京大学○39-22●筑波大学(前半22-10)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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