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土曜日は東大阪市の近鉄花園ラグビー場だった。トップリーグ第6節の2試合が行われたのだが、2試合とも予想以上の大差になった。第1試合はいまだ負けなしの神戸製鋼と、勝ち星のない九州電力の対戦。神戸製鋼は、立ち上がりからボールを横に大きく動かし、防御の穴を作るムービングラグビーを披露。PR安江、NO8マパカイトロらがラインブレイク。前半21分には、CTBジャック・フーリーがインターセプトから約70mの独走トライ。26分には、フーリーが、SOグラントのキックオフボールをキャッチしてそのままインゴールに走り込み、4トライ目をあげた。九州電力もCTB早田のライングレイクからトライを返すなど反撃したが、神戸製鋼のテンポの素早い攻撃は九州電力のタックルを巧みにかいくぐり、最終的には70-24という大差になった。
第2試合は近鉄対NTTドコモ。先制したのは近鉄だった。ゴールライン左隅でFWがしつこく攻めたあと、右オープンに展開してCTB森田がトライ。ドコモもインターセプトやキックチャージからトライチャンスを得たが、バウンドが不運に跳ね上がるなどでトライに至らず。逆に近鉄はFLタイファ統悦がキックチャージからトライ。13-0で前半を折り返すと、後半、WTBリコ・ギアの素早いキックチェイスからFB高キャプテンがインゴールに駆け込み、18分には、CTB大西将太郎がハーフウェイライン付近からドロップゴールを狙って成功させた。重光のタイミングのいいパス、ラインブレイク、トーエツの4トライなどで着々と加点した近鉄の快勝だった。
大西将太郎選手のドロップゴールは記憶になかったのだが、本人によると、「ヤマハ発動機時代のNEC戦で決めていますから、2本目です。村上さん、解説でしたよ」。え〜っ。
敗れたドコモの高野ヘッドコーチは、「前半はテンポをつかみかけていた。チャンスも作りながら、そこでミスが起きてリズムを崩した」と無念の表情。一方、近鉄の前田監督は、「前半はドコモのミスに助けられた。最初にトライを獲られていたら、どうなったか分からない」と反省のコメントが口をついた。ただ、怪我からの復帰第一戦となった高キャプテンは、「先週の不甲斐ない敗戦から、よくぞ立ち直った」とチームメイトとそこまで導いた首脳陣に感謝した。
■トップリーグ第6節土曜の結果
パナソニック ワイルドナイツ〇35-18●ヤマハ発動機ジュビロ(前半22-15)
リコーブラックラムズ○36-19●NECグリーンロケッツ(前半15-0)
※NEC 窪田選手はリーグ戦通算50トライを達成
神戸製鋼コベルコスティーラーズ○70-24●九州電力キューデンヴォルテクス(前半42-14)
NTTドコモレッドハリケーンズ●7-59○近鉄ライナーズ (前半0-13)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ●22-25○サントリーサンゴリアス(前半3-6)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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