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ラグビー コラム 2012年8月14日

CTB論&近鉄ライナーズ

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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豪雨の音と暑さであまり眠れず、朝、京都から大阪に行こうとしたら、JR、京阪、阪急と、すべての電車が止まっていた。こんなことは、阪神淡路大震災以来のことらしい。取材の時間が決まっていたので、ものすごく焦って、あちらこちらと駅を移動していたら、阪急が動き始めた。とりえず、準急に乗って、乗換など、やれるだけのことはして、30分遅刻で取材場所(シェラトン都ホテル大阪)についた。もう、汗だくである。

先にカメラマンに行ってもらって写真は撮っていたのだが、ホテルの担当者の方に挨拶を済ませて慌てて部屋に入ると、元日本代表CTBコンビが、にこやかに迎えてくれた。「大変でしたねぇ、どうやって来たんですか」。元木由記雄さんと、大西将太郎選手である。お詫びして、すぐに取材に入る。「きょうは、CTBのことを聞きにきました」。9月下旬に発行予定の雑誌「RUGGER」のポジション論の取材だった。

僕は元木さんも、大西選手も高校生の頃から見ているのだが、CTB論を理路整然と話す二人に、時の流れを感じて、ちょっとウルっときた。「CTBってなんでもできないといけないし、面白いですよ」(元木さん)。大西選手は、地元の花園ラグビー場に子どもの頃から自転車で通っていた。元木さんの大阪工大高時代のプレーも花園で見ているようだ。「高校生やのに、一人だけ社会人レベル。強いし、パスもできるし、なんでもできる選手やなって憧れていました」。すると、元木さんが「それに加えてキックもできたのが、大西将太郎でしょう」と持ち上げる。ちなみに、2人が日本代表でプレーしたことはわずか。しかも、SO大西、CTB元木だった。CTB談義、面白かった。詳しい内容は、誌面にて。

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元木さんは、現在、神戸製鋼コベルコスティーラーズのアドバイザー。今季のトップリーグでは、開幕戦で神戸製鋼と大西選手の近鉄ライナーズが対戦する。さあ、どうなるか。

この取材後、同じくRUGGERの取材で近鉄花園ラグビー場へ。前田隆介監督と高忠伸キャプテンに新シーズンへの抱負など聞いた。前田監督、腕太っ。夏のサントリーを下していることもあって、手ごたえを感じてのシーズンインとなる。ジェフリー・イエロメ、リコ・ギア、絶好調だと言っていた。髙キャプテンの写真は撮り忘れ。今季は体重を上げ、さらにパワフルなプレーで得点力アップに貢献する。「ようやく、(5㎏増量の)体がしっくりいってきました」。昨年の近鉄は得点力不足だったため、改善したいようだ。

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ちなみに、前田監督は、大阪ラグビースクール時代に、年下の大畑大介さんと、激しくやりあった間柄。大畑さんに、前田さんのタックルで何度も倒されながら意地で頑張った話を訊かせてもらったことがある。前田監督は「あのころ(の大畑)は、それほど足も速くなかったのに、ほんとに速くなりましたよね」と懐かしげに話していた。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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