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17日の火曜日は、長野県上田市の菅平高原で日本代表スコット強化合宿を取材した。この合宿は、16日から20日までフィットネス・スキル強化を目的として行われている。17日は、追加招集された田邉淳選手(パナソニックワイルドナイツ)が合流した。メンバー変更などの詳細は、日本ラグビー協会のホームページにて。

17日は早朝のウエイトトレーニング、フィットネス、スキルトレーニングに始まり、ユニット練習、そして、午後には、低い姿勢でスピードをつけたコンタクト、ブレイクダウンなどのトレーニング、自陣の22mライン内から脱出する方法を模索しながらのアタック&ディフェンス他、約1時間半、間断なく走り続けた。午後5時半からは別のグラウンドで練習していたジュニア・ジャパンも合流し、ジョーンズHCのコーチングを受けていた。

写真は、五郎丸歩選手のプレースキック練習。後ろで観察するのは、キッキングコーチ(スポット参加)のフィリップ・ファイラー氏。世界各国で実績を残し、今でもオーストラリア代表のクエイド・クーパー選手らから相談メールが届くスペシャリストだという。メンタル面のアドバイスも多いようで、五郎丸選手も、「考えすぎず、考えたあとはすぐ感覚に移行するように言われました」と話していた。五郎丸選手の助走は独特。いったん静止した状態から再び足踏みして蹴る。本人はこれを変えたいらしいのだが、それぞれの選手のルーティンはいじらないのがファイラー氏のスタイル。「でも、僕は変えたいって話したら、じゃあ、普通に歩いて蹴ってみればって言われて。歩いて蹴ったら入りました(笑)」。実は前日、ファイラー氏の指定した場所からのキックを五郎丸選手がすべて成功させたら、「じゃあ、僕は帰るよ」とコーチの仕事がないじゃないかと言う場面もあったらしい。
全体練習後、エディー・ジョーンズヘッドコーチは、「きょうはクオリティの高い練習ができた。山沢拓也(SO、17歳)、宇佐美和彦(LO、20歳)など若い選手も参加し、田邉淳(34歳)、遠藤幸佑(31歳)らのベテランもいる。みんなで競争するいい状態です」と笑顔を見せた。田邉選手については、「とてもいい選手、いいプレースキッカーであり、いいコミュニケーターであり、ジャパンでのプレーを熱望していた。ジャパンが一番だと思えることはとても大切です」と称賛。他にも復帰しているベテラン選手について、「ベテランの力はまだまだ必要です。遠藤も、もっとスピードアップできる」と、年齢にかかわらず、鍛えて伸ばす意欲を見せた。
田邉選手はジョーンズHCに、日本代表になるために何をすればいいかと直接問い合わせたらしく、「スピードトレーニングはしておいてくれ、と言われていました。どのチームにもベテランは必要で、君にもチャンスはある、と言われていたのですが、まさかこんなに早く声がかかるとは思いませんでした」と嬉しそう。2015年のワールドカップ出場を目指して、「一年一年勝負です」と話していた。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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