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日曜日は名古屋の瑞穂ラグビー場だった。トップリーグ最終節、トヨタ自動車ヴェルブリッツ対リコーブラックラムズ戦をJSPORTSで解説した。7位のリコーは、ボーナス点を「1」でも獲得すれば8位以内が決まる。9位のトヨタが自力で8位以内を確保するのは、リコーを超えるしかない。それは、リコーをボーナス点も含めて勝ち点を「0」に押さえ、4トライ以上の勝利で、勝ち点5を獲得。なおかつ、得失点差でも上回る必要があるので、15点以上差をつけなければならなかった。
目標は明確。トヨタは立ち上がりから4トライ以上を狙って攻勢に出た。FLホップグッド、CTBガレスピーがゴールライン寸前で手を伸ばして開始7分で2トライをあげる。しかし、リコーもCTBノヌーのロングパスでディフェンスの届かないところにボールを送って、小吹、リーの両WTBがトライして、10-12と迫る。31分、トヨタはゴール前のラインアウトからの攻撃でNO8菊谷がインゴールに飛び込み、突き放しにかかったが、ここでもリコーはSOエリソン、CTBノヌーのパスでWTB小吹のトライを生みだした。
後半はスコアの動かない時間が続いたが、24分、リコーFB横山がFL覚来の突破をサポートしてインゴール右中間に押さえ、22-19と試合をひっくり返した。このトライで4トライ以上のボーナス点をゲットしたリコーは、この時点で8位以内を決めた。トヨタは何度もゴール前に迫ったが、リコーの粘り強いディフェンスにトライを獲りきれず、前半は優位に立っていたブレイクダウンでも、最後はターンオーバーを連発された。ノーサイド直前、チャンスが巡ったのだが、右コーナーぎりぎりに飛び込んだWTB遠藤の足がタッチを割っており、万事休す。ヤマハの結果とは関係なく、シーズンを終えることになった。
「あと一歩のところを越えられないところが、今年のトヨタの力だということを真摯に受け止めて、また新しいチームを作っていきたい。春、夏といい試合仕上がりで自信を持って迎えた開幕でしたが、節目節目で私の采配ミスもあり、力不足を感じています」。朽木泰博監督は淡々と振り返った。
同時刻に行われたヤマハ発動機対ホンダ戦は、ヤマハが勝利し、他会場の結果、5位近鉄、6位神戸製鋼、7位リコー、8位ヤマハが日本選手権出場枠「2」を決めるワイルドカードトーナメントに進むことになった。滝澤キャプテンは、「次のステージに進めることを嬉しく思います。きょうはブレイクダウンで受けた部分もあり、2人目、3人目の寄りをもっと早くしなくてはいけないです」と反省を口にしていた。
マンオブザマッチは8位以内を確定させるトライに、ノヌーからのパスをWTBにミスなくつないだFB横山伸一が受賞した。それにしても、きょうのノヌーはすごかった。左右への長く素早いパスでチャンスを作ったほか、タックルを弾き飛ばして大きく前進し、タックルでもトヨタのチャンスの芽を摘み、観客を沸かせた。2月下旬からは、スーパー15が開幕。オークランドのブルースと契約しているノヌーの帰国時期が気になるところだが、ワイルドカードには出場するとのこと。「日本選手権には出場するのですか?」と質問すると、手を飛行機が飛び立つ形にして、おどけていた。この件について結論は出ていない。ちなみに、会見場に入ってくるとき、ノヌーがスパイクを脱いだ。日本の習慣が身についたということ? 微笑ましい姿だった。ただし、そこは土足OKだったんだけど。

他会場の結果は以下の通り。神戸製鋼はトップ4入りに、コカ・コーラウエストは自動降格圏内脱出に、ほんとにあと一歩だったんだなぁ。
■トップリーグ第13節・日曜の結果
サントリーサンゴリアス○32 – 28●神戸製鋼コベルコスティーラーズ(前半17-18)
コカ・コーラウエストレッドスパークス●36 – 42○NTTコミュニケーションズシャイニングアークス(前半12-14)
ヤマハ発動機ジュビロ○35 -5●HondaHEAT(前半10-5)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ●19-22○リコーブラックラムズ(前半19-17)
東芝ブレイブルーパス○59-25●パナソニックワイルドナイツ(前半26-5)
■日本選手権ワイルドカード組み合わせ(2月18日 花園)
12:00 神戸製鋼コベルコスティーラーズ 対 リコーブラックラムズ
14:00 近鉄ライナーズ 対 ヤマハ発動機ジュビロ
■プレーオフ・セミファイナル組み合わせ(2月19日 秩父宮)
12:00 パナソニックワイルドナイツ 対 東芝ブレイブルーパス
14:00 サントリーサンゴリアス 対 NECグリーンロケッツ
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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