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ラグビー コラム 2011年12月26日

日本代表新ヘッドコーチ決定

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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26日午後、東京に向かった。ラグビー日本代表新体制発表記者会見のためだ。停電などの影響で新幹線が遅れて、午後5時の開始時刻ぎりぎりに到着した。会見に出席したのは、日本ラグビー協会森喜朗会長、同協会矢部達三専務理事、そして、日本代表新ヘッドコーチのエディ・ジョーンズ氏、日本代表新アシスタントコーチの薫田真広氏である。

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2015年、2019年ワールドカップに向かう日本代表の再スタートは、この2人に託されたわけだ。契約期間は4年。エディ・ジョーンズHCはサントリーサンゴリアスの指揮を執っているため、3月の日本選手権が終了するまではチームの仕事を全うする。その間は、薫田ACが代表スコッド(30名〜40名を予定)編成のために現場に足を運んでいくことになる。この人事についての責任を負う矢部達三専務理事は、新ヘッドコーチ、アシスタントコーチの評価基準として、次の項目を挙げて、エディ・ジョーンズ氏が適任だと判断した経緯を説明した。

・日本を世界レベルまで引き上げ、かつ日本らしいラグビーをできる指導者
・2015年RWCイングランド大会/2019年RWCまでの戦略的ビジョンを持っている
・世界レベルのコーチングスキルを持っている
・国際的なネットワークを持っている
・日本の一貫指導体制と連携、協力できる
・日本人コーチを育成できる
・多くの課題に向かって挑戦して、課題を克服できる情熱を持っている

エディ・ジョーンズHCは、次のように語った。「チャンスをもらってエキサイティングな気持です。私がまずやらなければならないのは、勝つこと。世界のトップ10入りを果たすことです。日本人選手に合った日本スタイルを作り、スコットランドやウエールズといったチームと秩父宮ラグビー場で戦い、勝てるようなチームにしなければなりません。薫田さんをアシスタントに迎えられてラッキーです。彼の経験、知識は私を助けてくれるでしょう。日本ラグビーには、企業、大学、高校と素晴らしいコンペティションがあります。日本ラグビーはどこの国よりもポテンシャルがあると感じています。なるべく早く30名〜40名のスコッドを選びたい。エキサイティングな4年間になります。たくさんの人が応援に来てくれるようなチームにしたいですね。誇るべき代表チームとは、支えてくれる皆さんも誇れるチームでなくてはいけません」

チーム作りの具体案については、「セットピースの改善、テクニックの向上、スマートな試合運び、ボールを使う(よく動かす)」などをあげ、「クリエイティブに、常に何を仕掛けるか分からないようなチームを作りたい」と話した。外国人選手の数についても質問が出たが、「日本代表は日本人のカラーを持ったチームでなくてはいけない」とし、日本人が多くなるという意向を示した。

薫田真広ACはこう語った。「大変な重責であることは重々承知しております。エディさんのパッションに負けないようにしたい。私のミッションは3つです。①日本らしさの再構築、②U20、A代表の選手の引き上げ、③トップリーグ、大学ラグビーとの連携。これらを進めたい。これからの4年間は日本ラグビーの転換点だと思います。おもしろいラグビーをし、テストマッチでの勝利を成し遂げたいと思います」

2人の就任は、12月初旬に会合を持ち、一緒にやっていけるという合意を得たので実現したという。薫田ACは、「ジャパンは何か世界一のものを持たないといけないと思っています。エディさんもフィットネスは世界一にしたいと思っている。そして低さの部分。そこは共感できました。久しぶりに、親に見せられない練習をやりたいと思います」と、意気込みを語った。

GM、BKコーチなどは、今後随時決められていくようだが、このあたりも日本人から選ばれる見込み。日本代表の本格始動は、来春2012年4月1日から。4月下旬のアジア五カ国対抗から試合が始まるが、その大会にどんなメンバーで臨むかも含めて、詳細は今後決められる。今回の記者会見については、報道が先走っていたこともあり、確定した2人に関して急ぎ発表したようだ。

会見の後半、新ヘッドコーチは、こんな話をした。「私は最近、フィギュアスケートのファンになりました。テレビでたくさん放送されるからです。なぜ放送されるのでしょう? 日本人が勝つからです。やはり日本代表は勝たなくてはいけない。薫田さんは大切なことを言いました。企業も大学チームも日本代表の一部にならなくてはいけないね、と。みんなから応援される日本代表にしなくてはいけないのです」

この件については、さまざま報道されると思うが、会見の様子や、エディ・ジョーンズHCのインタビューは1月売りのラグビーマガジンにも掲載される予定。2人ともスクラム最前列中央のフッカーだったので、こんなポーズにも応じていた。

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村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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