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ラグビー コラム 2011年11月23日

早慶戦ほか

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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11月23日は、秩父宮ラグビー場だった。快晴だったこともあって、客席は、1万9658人。攻守が激しく入れかわる展開に大きな歓声があがっていた。

Chichibumiya

前半1分、早稲田がWTB原田のPGで先制すると、慶應も12分、CTB仲宗根がPGを返す。15分、先にトライをとったのは早稲田だった。慶應がミスしたボールを拾って、SO小倉、FB井口らが抜け出し、最後はFL山下が左コーナーぎりぎりに迫って内側へパス。ラックからさらに山下がインゴールへボールを持ち込んだ。慶應もHO  がトライを返したが、その後は、SO小倉の正確なハイパント、小倉、井口のキックパスなどで俊足WTB原田、中靏が走り回り、早稲田が慶應を翻弄した。前半を終えて、34-10。

後半に入っても、早稲田の攻勢は続いた。山下、FL金、小倉、井口、CTB布巻らユースレベルの代表経験者がその才能を存分に発揮する。ブレイクダウンでも激しく前に出ていた。井口の復帰は大きかった気がする。慶應にとっては、後半6分に、WTB児玉がゴールにボールを持ち込みながら、ノットリリースザボールの反則をとられたのが痛い。再び接戦に持ち込むチャンスを逸した。

早稲田は31分、ゴール前のラインアウトからのモールでFL山下がトライ。36分にも、キックパスでWTB中鶴がトライ。ダメ押しした。「きょうのテーマは、ディフェンス。ターンオーバーからのトライが多かったことは評価できる」と早稲田の辻監督。山下キャプテンは、「早慶戦は理屈じゃない。シンプルに前に出た結果です」と冷静に振り返っていた。1年生が3人先発していたことについては、辻監督は「ベストのメンバーを選んだらそうなっただけです」と実力者であることを強調した。キックパスが多かったことにつては、チームとしての方針というより、「個人練習の成果」と選手をたたえた。

慶應の田中監督は、「第88回の定期戦で21勝目を目指しました。攻めていたボールをターンオーバーされ、ボールを動かされたことは悔しい。修正する部分はたくさんあります。しかし、最後にあきらめずにトライをとってくれ、仲宗根が難しいゴールを決めてくれた。大学選手権に向けての希望のトライです」と振り返った。

早稲田の調子が上がってきたことで、早明戦(12月4日)も楽しみになったし、帝京大対筑波大、成蹊大対日体大(12月3日)も興味深い。関東大学対抗戦の最終節は面白そうだ。

◎関東大学対抗戦A11月23日の結果
早稲田大学○54-17●慶應義塾大学(前半34-10)

お知らせ◎北海道大学、東北大学、九州大学、名古屋大学など八大学のラグビーOB会が、「八大学講演会&年末懇親会」イベントを開催します。2011年12月8日(木) 18:00 受付開始 19:00 開演で、森重隆さん(福岡高校ラグビー部監督 元日本代表/新日鉄釜石監督・主将)が講演をします。席に余裕があれば参加希望を受け付けているとのこと。詳細は、以下のサイトより、締め切りは11月30日(定員オーバーならば抽選)とのこと。
https://sites.google.com/site/8daigakurugby/

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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