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日曜日は秩父宮ラグビー場だった。すべて終わって、写真を撮っていないことに気付いた。それくらい、きょうの試合は集中できた。関東大学リーグ戦の優勝をかけた戦いとなった東海大学対関東学院大学の一戦である。午後2時のキックオフを前に雨も降ってきて、試合中は空もどんどん暗くなった。そんなコンディションではあったが、互いに積極的に攻める大接戦に。
先制したのは関東学院だった。カウンターアタックでできたラックからの素早いボール出しで、CTB関口がトライ。東海は、12分にSO佐藤がPGを返し、20分、CTB阪本からの飛ばしパスでWTB宮田が逆転のトライをあげる(10-5)。関東学院は「前に出てから外に展開するのがスタイルなので」(WTB小林)と、ボールを持った選手が果敢に前に出るのだが、東海もしっかりタックルして前に出さず、なかなか相手陣に入れない苦しい戦いになった。
後半に入ると、互いに攻めあって試合のテンポが格段に上がった。東海SO佐藤がPGを決めれば、関東学院はWTB小林のトライで追撃。10分には、自陣からオープン展開した関東学院がCTB清水の突破から、最後は小林につなぎ、小林が快足をとばして左中間に飛び込む逆転トライ(15-13)。15分には、SO楢崎がループプレーからインゴールに向けてグラバーキックし、WTB渡邊が転々とするボールを集中力高く押さえて22-13とリードを奪った。しかし、ここからの東海大は落ち着いていた。20分、FWの縦突破でディフェンスを集めてから展開してFB高平がトライすると、23分、連続的にラックを支配してSH那須がポスト下に再逆転のトライ。それ以降も関東学院陣で戦って逃げ切った。
「お互いによく粘りました。リーグ戦も6戦目。まだ納得できる試合はできていませんが、大きく成長するきっかけになる試合だったと思います」と東海の木村監督。安井キャプテンは、「厳しいゲームになることはわかっていました。みんな、気持ちの入ったタックルと、しぶといプレーをし続けてくれました。気の抜けてしまった時間があったので、それを少しでも減らして最終戦に向かいたいです」と安堵の表情だった。
敗れた関東学院の選手には涙も見えたが、お互いに成長できる試合だった気がする。両者ともやや小粒な感じは受けるが、大学選手権になれば、どんな相手とも勝負できる力はあると感じた。さらなる成長に期待。
■トップリーグ第2節、日曜日の結果
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス○27-10●福岡サニックスブルース(前半8-3)
この結果、2節を終えた時点で連勝は4チームで、順位は、1位ヤマハ発動機ジュビロ、2位東芝ブレイブルーパス、3位サントリーサンゴリアス、4位近鉄ライナーズ。ヤマハと東芝が勝ち点10でならび、サントリーが9、近鉄が8で続いている。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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