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29日朝、オークランドは快晴である。日本代表は帰国したが、ワールドカップは続く。今週末は、イングランド対スコットランド、アイルランド対イタリアという各プールの順位争いの大一番がある。イタリアがアイルランドに勝てば、決勝トーナメントの組み合わせはまた変わる。スコットランドも7大会連続のトップ8入りに向けて牙をむくだろう。見逃せない試合だ。
日本代表について、みなさんからの多数のコメントを読み、ラグビーに対する愛情を感じるとともに自分自身の責任を痛感している。今後、2019年のワールドカップの成功、日本代表の決勝トーナメント進出に向けて、さまざまな場所で自分なりの意見を発信しようと気持ちを新たにしている。今回のW杯は、2019年のトップ8を考えれば2勝が必要だった。上位国との対戦を増やし、厳しい勝負の経験をできるだけ多く積まなくてはいけなかったからだ。JKが、「2019年は全員日本人で戦うのが理想でしょう。でも今は日本にいる外国人選手の力を借りる時期」と語ったとおり、現実的に2勝を目指しての強化だった。コーチのプロ集団が4年間強化にあたった点も日本ラグビーでは初めてのことだった。だから、この結果に対する責任は重い。
結果が出なかったのだから今回の強化体制は終了。新体制で4年後、8年後に向けて動き出すべきだが、なぜ結果がすべてのプロ集団をもってして勝てなかったのかは、練習計画、選手選考なども含めて詳細に検証されなければいけない。いい部分は継続すべきだし、選手個々の経験値は貴重な財産として次のチームに生かしたい。大野、小野澤が積み重ねた経験から集中力あるプレーを体現してくれたことを忘れてはいけない。
今後のプロセスは、チームからのレポート、日本協会の諮問機関である八強進出会議(河野一郎議長)のレポートを、日本協会理事会が総合的に判断して現体制を評価し、今後の強化体制を決めていくことになる。日本協会専務理事の矢部達三氏は記者会見で、「この4年間、一歩一歩前進していたつもりでした。ベストのパフォーマンスをすれば2勝を達成できると思っていましたが、このような結果になり、国民の皆さんの期待に応えられず申し訳なく思っております。帰国後すぐにでも出直し、立て直しをはかりたい。2019年のW杯に向けて、日本代表のトップティア(10位以内)への進出が不可欠だと思っております」と語った。
今回のW杯には、日本協会のコーチングディレクターである中竹竜二氏が日本代表試合の練習、ミーティング、試合のロッカールームなどにも入り、実際に現場で何が行われていたのか、試合のターゲット、それに対するコーチングのアプローチなど詳細にレポートされるという。それが八強会議のレポートのベースになるようだ。八強会議のメンバーは、日本協会理事で代表強化担当者である浜本剛志氏、トップリーグの稲垣純一氏、宿澤ジャパン時代の強化委員長の白井善三郎氏、元日本代表の森重隆氏らがいるが、この会議はあくまで諮問機関で決定するのは理事会だ。今後の強化体制を決めるにあたっては、理事会が、まず2019年のW杯までにどんな代表像を描き、日本ラグビーを引っ張っていくのかの未来像を示さなければいけない。それなくして新体制も決められない。2019年のW杯がたくさんの日本人に支持され、客席が埋まるような日本代表とはどんなチームなのか。自ずと答えは出るはずだ。
その上で、新しいコーチングスタッフについて公募制はどうか。強化に対するプランを具体的に示し、実行できる人材を選ぶべきだろう。いま名前が取りざたされている人達についても、具体的なプランを発表してもらうべきだ。2015年、2019年W杯に向けて時間は限られているが、拙速な決定だけは避けなければいけない。
追記◎この日記は、仕事という感覚ではなく、ほのぼの系でやってきましたので、今後もそのスタンスは変えずに行きたいと思います。日本代表の強化に対する提言や意見は、ほかのメディアでも発信しますし、発信できないことがあれば、ここに書く。そんな感じで、ブログ続けていきます。よろしくお願いします。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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