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ラグビー コラム 2011年8月11日

激闘史ウエールズ

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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昨日発売された日本ラグビー激闘史は、1974-76年号。表紙は、1975年に来日したウエールズ代表のSOフィル・ベネットである。切れ味鋭いサイドステップを武器に活躍した選手だ。この年、ウエールズは五カ国対抗で優勝し、史上最強メンバーとしての来日だった。

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僕はこのとき10歳。京都ラグビースクールに通っていたので、大敗した日本代表について、友達から悔しい質問を受けたことを覚えている。しかし、このときのウエールズはすごすぎた。NO8マーヴィン・デイビス、SHガレス・エドワーズ、WTBジェラルド・デイビス、JJウィリアムズ、FBのJPRウィリアムズなど、伝説の選手がずらり。国立競技場の試合では、JJを石塚武生さんがタックルして倒し、試合後に胴上げされたほどのスーパースター軍団だった。9月24日に行われた最終戦の国立競技場が5万5千人。ウエールズは、来日5戦で約15万人の観衆を集めた。それだけプレースタイルに魅力があったということだろう。これに匹敵するチームの来日は、1987年のオールブラックスくらいだろうか。

今号のヒーローは原進。のちにプロレスラー阿修羅原となった選手だ。名門伝説は近鉄。全国社会人大会優勝8回、準優勝9回、日本選手権優勝3回という歴史は輝かしい。復活を望むファンが多いのは当然だ。近鉄歴代ベスト15を見ていて、フィリップ・ラヤシの名を発見。ラヤシ、すごかったよなぁ、たしかに。

ページをめくると、日本代表が初めてNZUに勝った試合の写真があるのだが、サントリーの有賀剛選手のお父さん、有賀健さんの勇姿が。1975年の日本選手権決勝は近鉄対早稲田大学で、6万人を超える大観衆。この1週間前にサッカーのベッケンバウアーがドイツのバイエルンミュンヘンで来日して5万5千人だから、ラグビー大したものである。

追記◎猛暑のなか、ふらりと下鴨神社へ。世界遺産の糺の森(ただすのもり)で、「第一蹴の地」の石碑を眺める。この森で京都で最初にラグビーボールが蹴られた。ときどき、ここに来て初心に帰る。

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村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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