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サントリーサンゴリアス、東芝ブレイブルーパスの選手達が、他競技を含めた5チームで25日、本拠地の府中駅前で東日本大震災復興のための募金活動を行った。サンケイスポーツによれば、「福島県出身の日本代表LO大野均(東芝)や仙台市出身の同代表LO真壁伸弥(サントリー)ら約40人が参加した」とのこと。各地で支援の動き、みんなできることを始めている。
金曜日の夜は、大阪・北浜のラグビー部マーラーでトークイベントだった。ゲストは、来季からトップリーグに昇格するNTTドコモレッドハリケーンズの伊藤宏明選手と水山尚範選手である。今回は東日本大震災の義援金を募り、チャリティオークションも行った。両選手の協力で、伊藤選手の日本代表時代の練習着や、水山選手がNEC時代に対戦したニューカッスルファルコンズのジャージなど貴重な品が登場してオークション。募金も含めて計85,818円が集まり、日本赤十字社に寄付される。参加者のみなさん、ありがとうございました。

さて、トークの内容だが、伊藤選手は大畑大介、箕内拓郎ら黄金世代の1975年生まれ。「大学在学中には早稲田に負けたことがない」という明治黄金時代の選手でもある。2003-04シーズンにイタリアのクラブ「ラクイラ」でプレー。世界選抜の一員としてイタリア代表と戦ったこともあり、国内でもサントリー、サニックス、クボタ、NTTドコモと、さまざまなチームを経験している。豊富な経験から語られる言葉はどれも味わい深かった。
とりわけ、お客さんが聞き入ったのが、「これまで対戦した中ですごいと思ったスタンドオフ(SO)」のところ。伊藤選手によれば、「スティーブン・ラーカム(元オーストラリア代表、日本のリコーでもプレー)と、アンドリュー・ミラー(元神戸製鋼)は次元が違った」と言う。ラーカムについて、「(攻撃時、僕に対して)すごく距離が近いところに立つんです。だから詰めてタックルしようとするのですが、どうしても届かない。間合いに入れない。ああいう体験はラーカムが初めてでした」と、いまだに不思議そうに説明。ミラーについては「ミラーも近くに立つのですが、彼は僕が前に出ると2、3歩下がって間合いを取る。ほとんどのSOは前に出てくるのに、ミラーは下がって、そこから仕掛けてくる」と語った。
伊藤選手より7歳年下の水山選手は、「来季、トップリーグで対戦してみたいフッカー(HO)」と問われて、サントリーの青木佑輔の名をあげた。「僕と同じタイプのスクラムを組むので」。それはどんなスクラム? 「重さではなく、シャープさというか」。これまで一番強かったHOは? 「サントリーの坂田さんですね。思いっきり差し込まれてスクラムトライされました」。スクラムトライというと、プロップ(PR)の手柄のようにも思いますが違うのですか? 「スクラムトライはHOですよ。HOが負けて肩を浮かされるとPRはどうしようもない」。などなど興味深い話が次々に飛び出した。
水山選手は、阪神淡路大震災のときに中学1年生。神戸市長田区で被災した。「思い出したくない思い出です」。地震直後の光景は中学1年生の少年には辛すぎるものだったようだ。水道が復旧するまでに1カ月、ガスは2カ月、親戚の家から学校に通った。震災のことについては言葉が少なくなった。今回の震災も他人事ではなく、被災者の皆さんにかける言葉を懸命に探した。「なんて言っていいのか…乗り越えれば、強くなれると思うし…」。子供達に伝えたいのだろう。どんな質問にも誠実に答えてくれたゲストお二人に感謝である。
話は変わって、3年前の長崎招待ラグビーでご縁ができた長崎県の太田伸二さんから、恒例の長崎招待ラグビーについて、力強い便りが届いた。
《今年も開催すべく慶應をご招待する準備を進めておりましたが今回の震災により活動自粛となり3月17日にご辞退されました。翌日、県協会で開催の有無を協議した結果、この時期だからこそ東日本の復興支援の場として開催すべきという結論に達し予定通り4月17日に開催することにしました。長崎代表との対戦チームを探し、23日にコカ・コーラウエストより快諾いただきました。向井監督も何か支援活動をしたいと思っていらっしゃったようで即座にご英断いただきました。
開催まで時間はありませんが、本事業を通じて九州全域のラグビー愛好者、スポーツ愛好家とともに、ここ長崎から少しでも被災者への支援、被災地の復興のお役に立てる事業に仕立てていく所存です。高校の部は福岡高校を招待します。ご存じのとおり森重隆監督は釜石でプレーされていたので今回の件には心を痛められていると思います。
当日は募金活動、チャリティーオークションはじめ、JOCから依頼のスポーツウェアとシューズの支援物資を集める予定です》
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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