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ラグビー コラム 2011年2月27日

日本選手権決勝結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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日曜日の秩父宮ラグビー場は快晴だった。観客は、14,477人。トップリーグ決勝と同じカードになり、そのときは敗れたサントリーサンゴリアスが、三洋電機ワイルドナイツに快勝して9年ぶりの日本選手権制覇を果たした。

Suntry

サントリーは、試合後に竹本キャプテンが、「自分たちのラグビーを80分間やりきれた」と語った通り、立ち上がりから攻め続けた。SOピシの個人技は準決勝と同じく防御を切り裂いたが、SH日和佐が密集サイドを少し持ち出したボールに後ろから走り込むランナーのスピード、タイミングも素晴らしく、何度もラインブレイクした。

前半11分、WTB小野澤のトライも日和佐の右横に走り込んだもの。三洋電機もFB田邉のPGで差を詰めたが、ディフェンス面でサントリーの勢いを押しとどめることはできなかった。ハーフタイムの飯島監督は、「サントリーの当たりも強いのですが、私たちのシステムが崩れているところがあったので、そこを確認しました。後半は攻めるしかない」と語り、その言葉通り、後半19分のノートンナイトのトライで、29−20と9点差まで詰め寄り、なおも攻めたがスコアはここまで。

残り20分は、後半17分に投入されたSHグレーガンが見事なゲームリードを見せる。24分には、自ら密集サイドを破ってチャンスを広げ、WTB長友のトライを演出。34−20とリードを広げると、ディフェンス面でも卓越した危機管理能力で危険なスペースを埋め、三洋電機の反撃の芽を摘んだ。世界最多139キャップの元オーストラリア代表選手は、現役最後の試合でもタイトルを獲得してみせ、キャリアにまた一つ勲章を付け加えた。見事である。

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「素晴らしいチームです。一生懸命練習しました」とは、エディ・ジョーンズ監督の第一声。「三洋は強いチームです。サントリーがスイッチを切ることはありませんでした。サントリーのプレースタイルには勇気がいります。日本一のチームだと証明できて嬉しい。三洋電機のキープレーヤーを仕留めたのも大きかったです」

詰め寄られた時間帯に、シンプルにミスをすることなくプレーできたことは、勝因の一つだろう。スクラム、ラインアウトの安定も大きかった。一シーズン、チームの方向性を貫いた優勝だった。

Bokin

この日は、事前に告知されていた通り、ニュージーランド大地震に対する募金活動が行われた。ハーフタイムには、日本代表のジョン・カーワンヘッドコーチが日本語で挨拶し、協力を呼びかけた。写真は、坂田好弘さんと、トップリーグのキャプテン会議の荻原要、廣瀬俊朗両選手。

Toshiba

東芝ブレイブルーパスの選手達も、募金活動に協力するため駆けつけた。

スタジアムには、ニュージーランドへのサポートを示すボードなどが掲げられ、ニュージーランドのジャージや、クルセイダーズカラーの赤と黒の腕章など身につけている人も多かった。皆さん、ありがとうございました。

Kio

このボードの文字は、「Kia Kaha CHCH」。CHCHは、クライストチャーチを示し、その前の言葉は、マオリ語で、「強くあれ」、「くじけるな」、「偉大であれ」という意味で、ニュージーランド復興のシンボルとして使われているもの。みなさんの気持ちは、ニュージーランドの人々に届いていると思います。

◎日本選手権決勝結果
サントリーサンゴリアス○37−20●三洋電機ワイルドナイツ(前半24-6)

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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