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日曜日の大学選手権2回戦は、名古屋の瑞穂ラグビー場で解説だった。前日のトップリーグより気温は高く、観戦には少し楽だったかもしれない。第1試合は、東海大対天理大の対戦。両者は昨年の大学選手権2回戦でも対戦し、そのときは、東海大が53-12で勝っていた。天理は刺激を受け、練習量を増やし、その差を詰めるための1年間を過ごしてきた。差は詰まったのか、東海大がさらにレベルアップしたのか、興味深い試合になった。
前半風下に立った天理大だが、長年磨いてきた「反応スピード」の速さで東海大の攻撃を食い止め、SO立川理道、CTBハベアのループプレーから仕掛けてゲインを切るなど、BKの仕掛けで東海大の防御を何度も崩しにかかる。しかし、東海大もバッキングアップのディフェンスがよく、両者譲らない緊迫感ある戦いとなった。前半を終えて5-0。東海大がドライビングモールで1トライをもぎ取ってリードしたものの、選手達の表情は「負けているみたいでした」(木村監督)という通り曇りがちだった。
後半風上に立つ天理大優位にさえ思えた試合展開だが、東海大は後半に入るとFWが前に出る攻撃に絞って天理大に圧力をかけはじめる。後半3分にモールを押し込んでFL菊地がトライ。天理大SO立川にPGを返されたが、20分には、スクラムトライで突き放す。このあたりから、平均体重で約10㎏下回る天理FWの足が動かなくなり、次第に東海大がペースを握った。終わってみれば、27-6という東海大の快勝。だが、後半20分までは勝敗がどちらに転ぶか分からない拮抗した試合展開だった。
天理大の小松監督は言った。「FWが圧力を受けたのは予想の範囲内。しかし、トライが獲れなかったことが敗因」。怪我を押しての出場だった立川直道キャプテンは精根尽き果てた表情で、「後半20分までは我慢しましたが、ブレイクダウンでいいボールを出せず、BKを生かせませんでした」と敗因を語った。また、小松監督は報道陣に打倒関東の手応えを聞かれて、「越えられない山ではない、という感触はつかめました。大きいFWではなく、強いFWを作って、もっと努力する」と来季を見据えた。
東海大の木村監督は終始厳しい表情だった。「きょうのゲームは、攻めることがテーマだったのに徹底できていなかった。ラインアウトにも課題が残ります」。主力選手の不振にも触れ、「うちに聖域はない。過去の経歴は関係ない」と手厳しかった。
第2試合の早稲田大対関西学院大は、早稲田圧倒的有利の予想に反して、関西学院が健闘。ピンポイントのタックルを何度も決めて、モールを押し込んでトライを奪うなど前半35分まで14-7で早稲田リードという接戦に持ち込んだ。しかし、後半は早稲田のワイド展開についていく足が動かなくなり、WTB中濱らに次々にトライを奪われた。
関西学院の大崎監督は、「夏合宿では大敗して何もさせてもらえなかった早稲田に、少しは意地を見せることができました。前半は学生達もよくやってくれた」と選手をねぎらった。緑川キャプテンは目を潤ませながら、「監督の言われた通りで、若い選手達が厳しい練習に耐えてくれた結果です。しかし、ブレイクダウン、パスのスピード、キック力といった個々の能力に差がありました。もっと意識の高い中で練習できていればと思います」と言葉を選んで語ってくれた。
早稲田の辻監督、有田キャプテンは、いつも通り、「早稲田のラグビーをしようとした」と口を揃えた。「去年は2回戦で負けたので、この一戦を大切にしようと練習してきました。しっかりタックルもできていた。あとは、明治戦に向けて全力を尽くします」(辻監督)。有田キャプテンは、「勝てたことがすごく良かった。モールで押し込まれたことついては、最初受けてしまったところがありました。でも、試合の中で修正はできました」と話していた。
26日の結果、1月2日(国立競技場)の準決勝の組み合わせが以下のように決まった。
12:15 東海大 対 帝京大
14:00 早稲田大 対 明治大
◎全国大学選手権2回戦結果
東海大○27-6●天理大(前半5-0)
慶應義塾大●7-38○帝京大(前半7-23)
明治大○60-7●流通経済大(前半24-0)
早稲田大○62-12●関西学院大(前半24-7)
◎トップリーグ第12節結果(26日)
三洋電機ワイルドナイツ○74-17●リコーブラックラムズ(前半36-10)
◎第18回全国クラブ大会1回戦結果
タマリバクラブ○50-13●玄海TANGAROA(前半5-10)
ドラゴンズ龍ヶ崎●7-29○名古屋クラブ(前半0-26)
追記(お知らせ)◎ラグビー日本代表から皆さんの手元に年賀状が届く「ウェブポ有名人年賀状2011」が実施されることに! 今回年賀状を送るのは、菊谷選手、大野選手、田中選手、ジョン・カーワンヘッドコーチの4名。下記のサイト(PCサイト)をご覧の上、日本代表からの新年の挨拶をゲットしよう!
菊谷崇選手
https://webpo.jp/hook/n11/t/?id=9164-8716-0299-0566
大野均選手
https://webpo.jp/hook/n11/t/?id=7021-7740-2683-6964
田中史朗選手
https://webpo.jp/hook/n11/t/?id=5666-7766-9026-8960
ジョン・カーワンヘッドコーチ
https://webpo.jp/hook/n11/t/?id=5751-4452-4952-1760
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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