人気ランキング
コラム一覧
3日は秩父宮ラグビー場だった。関東大学対抗戦の全勝対決2試合に集った観客は、21.972名(第2試合時点)。第1試合の早大対帝京大戦から徐々に増え、最終的にはこの大観衆だった。隣の神宮球場が早慶戦で36,000人。国立競技場ではナビスコカップを行われていたから、この日の神宮外苑には10万人ほどのスポーツファンが集ったことになる。いや〜、凄い人でした。
ほぼ満員の秩父宮ラグビー場も、2試合とも大接戦で客席は大いに沸いた。第1試合は、大きくボールを動かして攻める早大と、ディフェンスに絶対の自信を持つ帝京大の戦いだったが、立ち上がりから早大が右に左にボールを動かして帝京のディフェンスを翻弄し、CTB坂井、FB井口を軸にいつ均衡が破れてもおかしくない攻撃を仕掛けた。帝京は次第に対応できなくなり、後半は早稲田ペースとなる。勝敗のキーポイントとして両監督があげていた「ブレイクダウン(ボール争奪局面)」も早稲田が優位に戦い、後半は帝京を1トライに抑える快勝だった。
早稲田の辻監督は、「きょうは選手がディフェンスで体を張ってくれた」と満足げ。一方で、「いい経験ができました」と帝京の岩出監督。1年生SO初先発させ、「今後の財産になる」と語るなど、チーム力のピークをシーズン終盤に持っていくのは明らか。今の力をそのままぶつけたような試合内容で、次なる対戦に余韻を残す戦いぶりだった。
第2試合は、慶應義塾大対明治大。重戦車FWは復調の兆しを見せる明治に対し、体格的に劣る慶應義塾は、スクラムとラインアウトからのモールの対策を施し、低く突き刺さるタックルで応戦した。一進一退の攻防で前半は7-5の明治リード(当初、間違って表記していました。失礼しました)。後半に入ると、明治は個々人が力強くボールを前に運び、何度も慶應ゴール前に攻め込んだ。後半24分には、モールを押し込んでのトライで20-10。その後は、懸命のディフェンスで逃げ切った。
「明治の強いスクラム、ラインアウトモールに対する準備はした。明治の強さは想定内だったが、NO8立石、CTB増田のキーマンが早々に負傷退場し、攻め手を失ったのは痛かった」と慶應の林監督。一方、明治の吉田監督は、「この7年、慶應に勝てない現実があった。FWを全面に押し出して主導権を握り、必ず訪れるチャンスをものにしよう、と話していました。FWの強化が勝利につながりました」と話し、課題は多いものの、接戦をモノにした勝利に手応えを感じていた。
それぞれが特徴を出す面白い2試合だった。まだシーズン半ばであり、年末年始の大学選手権に向けて、各大学ともにチーム強化の途上にある。それぞれが課題を見つけ、それを修正しながらの戦いが続く。
◎関東大学対抗戦A結果(3日)
早稲田大○33 -14●帝京大(前半7-7)
慶應義塾大●17-20○明治大(前半5-7)
日本体育大●8-14○成蹊大(前半5-14)
筑波大○67-3 ●立教大(前半29-3)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
人気ランキング(オンデマンド番組)
-
【限定】ラグビーワールドカップ2027 オーストラリア大会 プール組分け抽選会
12月3日 午後6:00〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ 埼玉ワイルドナイツ vs. 東京サンゴリアス
11月29日 午後12:50〜
-
ラグビー 関東大学対抗戦2025 帝京大学 vs. 慶應義塾大学
11月30日 午後12:50〜
-
【限定】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 メディアカンファレンス
12月2日 午後1:55〜
-
ラグビー 関西大学リーグ2025 京都産業大学 vs. 天理大学
11月30日 午後1:50〜
-
【先行】ジャパンラグビー リーグワン2025-26 プレシーズンマッチ トヨタヴェルブリッツ vs. コベルコ神戸スティーラーズ
11月29日 午後12:50〜
-
【限定】ラグビー 関東大学リーグ戦2025 関東学院大学 vs. 日本大学
11月29日 午後1:50〜
-
【限定】ラグビー 関西大学リーグ2025 関西大学 vs. 摂南大学 / 立命館大学 vs. 同志社大学
11月30日 午前11:35〜
J SPORTSで
ラグビーを応援しよう!
