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日曜日は、JSPORTSの仕事で国立競技場だった。朝、のぞみで東京へ戻ったのだが、ある高校ラグビー部の監督さんに会って言葉を交わした。教え子の活躍を見に早明戦に向かうようだった。
戦前の成績はあてにならないのが伝統の一戦だが、不振だった明治がここ一番、持てる力を存分に発揮して対抗戦優勝がかかる早稲田を苦しめた。LO友永、FL三村らを怪我で欠く明治だが、FL西原キャプテン、NO8杉本らを軸にブレイクダウンで圧力をかけ、CTB衞藤らの好タックルで早稲田の攻撃を寸断。前半6分、モールから杉本がトライ、28分には、左右に大きく振り回して最後は、杉本が右コーナーぎりぎりに飛び込み、前半を14-3とリードで折り返した。
早稲田はHO有田が胸を痛め(肋骨か胸骨?)、LO中田も右足首を痛めて退場する緊急事態。しかし、ラインアウトのスローイングは、高校時代にスロワーの経験があるFL山下が務め、中田に代わって出場したLO星野が持ち前の突進力を披露して、後半徐々に盛り返した。それでも逆転したのは、後半も30分。明治のノータッチキックからのカウンターアタックでフェイズを重ね、最後はPR瀧澤がタッチライン際からパスを内に戻し、これをサポートしていたSH櫻井がインゴール右中間に押さえた。自身「アカクロを着ての公式戦では初めてです」という貴重なトライだった。中竹監督が「山中はマークされていたし、きょうの試合のあの時間帯では、いつも及第点のプレーをしてくれる吉井のほうがいいと思った」と、後半20分過ぎ、SO吉井、SH櫻井を次々投入したのも奏効した。最終スコアは、16-14。
CTB村田、宮沢、FB田邊らBKの要を怪我などで欠いた上に次々に主力が退場するなかで、「逆境を楽しめ」(中竹監督)の言葉に応えるように早田キャプテンを中心に結束。後半は運動量、ブレイクダウンの激しさで明治を上回っての勝利だった。「前半は完全に受けてしまった。しかし、スロワーもロックもいなくなったなかで、選手達が自分たちで修正して勝ちきってくれたのは素晴らしい。よくやってくれた」と中竹監督。「ただし、本当のゲームは終わっていない。これから選手権までしっかり反省したい」と、まだまだ学生日本一にまでには成長が必要だと語っていた。早田キャプテンは「絶対に諦めるな、やってきたことを出せば勝てると言い続けました。負傷者の代わりに入ったメンバーがよく頑張ってくれました」と安堵の表情だった。
明治の吉田監督は「早稲田は三連覇をかけて戦っているチーム。ゲームの中での自信が刻み込まれていると思いました」と相手を称えつつ手応えをつかんだ表情。西原キャプテンは「前半からファイトしていたので、後半は疲れがあった」と後半の失速について語った。しかし、前半から全力で飛ばしたからこその接戦であり、明治も自信をつけることができたのは確か。SO田村は「力負けです」と完敗を認めたが、「去年はこれで終わりだったけど、今年は大学選手権がある。まだ学生日本一の夢は捨てていないし、きょうのような試合を続けられれば可能性はあると思っています」と前向きだった。
トップリーグ6日の結果は以下の通り。九州の知人から、「最後に九州電力の手から勝利がスルリとこぼれ落ちました」とメールが入った。記録に後半39分にヤマハのFL八木がトライ。五郎丸がゴールを決めて逆転勝ち。ヤマハは4位の座を死守。同勝ち点でトヨタが続き、神戸製鋼がこれを追う。
◎トップリーグ第9節(6日)結果
九州電力●19-21○ヤマハ発動機(前半12-14)
福岡サニックス●17-46○サントリー(前半12-20)
ホンダ●19-45○東芝(前半14-21)
近鉄●13-26○神戸製鋼(前半6-7)
クボタ●28-55○三洋電機(前半0-43)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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