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11月3日は、秩父宮ラグビー場のバックスタンドにいた。関東大学リーグ1部の法政大学対関東学院大学の一戦を取材するためだ。知人と一緒に観る予定だったのだが、偶然会った知り合い(法政OBと関東学院OB)も合流しての楽しい観戦になった。
法政やや有利の下馬評だったが、立ち上がりから関東学院がブレイクダウンで激しくプレッシャーをかけ、法政のボール出しを乱し、試合は互角の展開に。6分、関東学院が攻め込んだラックらSH大島が右サイドに持ち出して先制トライをあげると、法政もSO文字がPGを返す。25分には、関東学院がカウンターアタックで抜け出し、CTB三輪がトライして10−3。前半終了間際には、ようやく素速いテンポの攻撃が出た法政が、左右にボールを散らして最後はWTB渡辺が右中間に飛び込み、13−10と逆転して前半を終了した。
後半は、法政が優位に立ったが、ゴール前のPG機を狙わず、攻めてはミスでチャンスをつぶして切り替えされる繰り返し。逆に関東学院は攻め込んだときには最低でも3点は獲得して、次第にリードを広げた。終了間際には、FWがモールを押し込んで、26−13として、法政から4年ぶりの勝利をあげた。
法政の文字キャプテンは、「自分のゲームプランのミスです」と、勝負どころのPGを狙わず、攻めた判断を振り返った。駒井監督は、「セットでもっとプレッシャーをかけられると思っていた。フェイズを重ねて外で勝負したかったが、それをやらせてもらえなかった。心のスキがあったかもしれない」と、予想以上の関東学院のプレッシャーに、選手達が冷静さを失ったことを振り返った。
試合の流れからして、後半、ゴール前で4度あったPGチャンスを狙っていれば法政が勝った可能性は高い。関東学院は反則が多かった。そこで苦しんでいたのだから、スコアを重ねればさらに追い込めたはず。そこを攻めたあたりに、相手を甘く見た感があった。文字キャプテンが悔いるのも当然かもしれない。ただし、法政は弱くない。この試合をどう総括するかが問題だろう。
一方、関東学院は安藤キャプテンが「きょうは気持ちで勝った」と語ったように、ラック、モールでのファイトで圧力をかけ続けた。桜井監督は、「ディフェンスは今季最高の出来、BKのアタックも前に持っていく力があった。後ろからのサポートもよくなった。選手をほめてあげたい」と笑顔だった。関東にとってこの勝利は大きいし、このチームが力を上げてくると、大学選手権の優勝争いはさらに混沌とする。関東大学リーグ戦は、東海、関東学院、法政がトップ3で争っているが、この順位次第で、大学選手権の1回戦でまた思わぬ好カードが出てきそうだ。
東海大学対関東学院大学戦は、11月14日である。
◎関東大学リーグ戦1部結果
法政大学●13−26○関東学院大学(前半13−10)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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