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26日の夕方、オールブラックスの4選手が早稲田大学ラグビー蹴球部の上井草グラウンドを訪ねた。台風の影響で強い雨が降っていたため、クラブハウス会議室での交流となった。やってきたのは、写真左からアンドリュー・ホア、リッチー・マコウ、ミルス・ムリアイナ、ロドニー・ソーイアロ。豪華な面々だった。

中竹監督から歓迎の挨拶のあとは早稲田の選手達からさまざまな質問が。留学経験のあるPR横谷選手は英語で質問。HOのホア選手にどんな食生活をしているのか聞くと、逆に「その身体を見ると、僕のほうが勉強したいよ」と返され、爆笑。スクラムの組み方を問いかけた時には、ホア選手がフロントローの選手を呼び、実際にバインドしながら相手より低く組むコツなど伝授。HOとNO8のヒットのタイミングなどにも触れていた。

マコウ選手は、タックルしてからすぐに起き上がり、相手ボールを奪う動きを完結に解説。相手に当たられることを想定して少し前のめりにボールに絡むことなど、具体的で分かりやすかった。ソーイアロ選手はこだわりを持ってやっている練習を問われ、「たくさんランニングをします。ゲームスピードが上がっているので、それに合わせていかなければ」と現代ラグビーのスピードアップについて語った。どの選手も話していたのは、「常に努力してベストを尽くす」ということ。「常に」ということができる選手だけが、オールブラックスであり続けられるということなのだろう。
最後には、それぞれの選手から部員達へのメッセージ。マコウ選手は、「一貫して、いいパフォーマンスを続けることが大切。土曜日のビッグマッチも頑張ってください」と、10月31日に帝京大戦を迎える選手達を激励していた。

マコウ選手とジャージ交換する早稲田の早田キャプテン。「みんなモチベーションが高まったと思います」と笑顔だった。大雨だったし、イベント内容も非公開になったのだが、それでも数十人のファンの方が集まっていた。駆け足のイベントだったのだが、サインをもらえた人もいたみたいだ。
追記◎コメント欄に何件かあった、サントリーサンゴリアス対クボタスピアーズの試合終了間際の判定ですが、僕も録画で見てみました。ドゥラーム選手のキックパスを危機管理能力を発揮してキャッチしたサントリーサンゴリアスのファンニエルデン選手。その反応自体は素晴らしい。さて、あの場面で反則があるとすれば、タックルで倒されたファンニエルデン選手が、倒れたまま動いている反則(PK)か、タッチライン際で自らボールをタッチの外に置いた反則(PK)があると思います。競技規則第10条、不正なプレーの項目には、こうあります。「いずれのプレーヤーも、腕または手を使って、故意にボールをノック、または置き、または押し進めて、または投げて、タッチまたはタッチインゴールに入れるか、またはデッドボールラインの外に出してはならない」。つまり、ボールを持ったままタッチを踏んだり、滑り込んでボールを捕り、惰性でタッチラインを割ってしまうような動きはOKですが、故意にタッチラインの外にボールを投げたり、タッチにボールを置くのはペナルティということになります。この両面でレフリーとアシスタントレフリーは話し合ったようです。しかし、よく見ていくと、タッチに出たところは相手に押し出されているようにも見えます。やはり問題は寝たままのプレーかどうかでしょう。少し動いているのは確かなのですが、これも、タックルが弾かれたようになってバインドが離れていること、立ち上がろうとしたところを相手に押さえつけられて動いているようにも解釈できることから、意外に難しい判定だったと思われます。レフリーとアシスタントレフリーが、コミュニケーションに時間がかかってしまったのは、「故意に出したのか? 相手に出されたのか?」といった言葉の微妙なニュアンスが伝わらなかったからでしょう。アシスタントレフリーがどの範囲までレフリーにアドバイスするかを明確にするなど、迅速なコミュニケーションがとれるように改善していくべきだと思いました。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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