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日曜日はもちろん名古屋の瑞穂ラグビー場にいた。名古屋地方は朝から雨が降っていたのだが、試合前に空は明るくなり、途中で太陽の光がさし込むまでに。風もなく、好コンディションでの試合だった。
これまでアメリカ代表のパワーに屈してきた日本代表だが、この日は立ち上がりこそ相手の激しい当たりを受けてしまったが、ディフェンスで何度もアメリカ代表を押し返すなど、トップリーグでもまれた選手達が当たり負けせずに前に出た。初キャップの両PR平島、畠山もスクラムを安定させたほか、「最後の最後までよく仕事をしてくれた」(カーワンHC)という言葉通り、運動能力の高さを見せて健闘した。
同じく初キャップのFB松下も冷静なフィールディングを見せたほか、タイミングのいいライン参加でラインブレイクし、後半5分、15-14と逆転するWTB遠藤のトライを生み出した。WTB冨岡はミスもあったが、キックオフ早々にカウンターアタックを仕掛けるなど、強気にプレーした。
NO8龍コリニアシのビッグヒットに力強いゲインはこの日の日本代表の勢いをもたらした。LOトンプソンの献身的な働き、SOウェブの正確なハイパント、CTBニコラスのチェイスも、特に後半によく機能した。SH田中の運動量豊富なディフェンスも目を引いた。初めてキャプテンを任された菊谷も、体を張ってチームを引っ張った。それぞれの選手が特徴を出しての勝利だった気がする。試合直後、JSPORTSのインタビューで菊谷キャプテンに話を聞いたのだが、痛いほどの握手をされた。選手達の充実した表情は見ていて気持がいい。
ただし、カーワンHCが「第2戦目に向けての修正点はブレイクダウン、そして攻撃のリズム」と言うとおり、課題は多い。前半はミスから失点したし、攻め込んでのミスも多い。効率のいい得点パターンを作り上げたいところ。それでも、先発メンバーに初キャップ組が4名いるなかでの勝利の価値は計り知れない。トップリーグ効果で各選手の地力が上がっていることも確かだろう。
11月22日の第2戦は、アメリカ代表もコンディションを整え日本対策も万全で臨んでくる。勝ったことは良かったが、連勝しなければその価値も半減する。きょうの瑞穂ラグビー場は、日本の勝利に大いに盛り上がっていた。来週もいい試合をしてファンのみなさんを喜ばせてもらいたい。
◎試合結果
日本代表○29-19●アメリカ代表(前半10-14)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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