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ラグビー コラム 2008年10月26日

TL6節日曜の結果

ラグビー愛好日記 by 村上 晃一
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日曜日は博多だった。朝、羽田空港から福岡へ。雨が降っていた。10時半にレベルファイブスタジアム入り。ラグビースクールに通う子供達のご両親に声をかけられる。息子さんは、まだ小学2年なのに、大体大、トヨタ自動車を目指すという。名前はトヨタの名SOからとって、佳司(けいしと読む)である。嬉しくなった。試合前、スタジアムに出店していた白玉屋新三郎の「シュー白玉」を食べる。これ、美味しかった。僕はここのきな粉が大好きなのだが、シュー白玉もなかなかやる。このほか、今季のレベルファイブスタジアムにはたくさん食べるものがあるので、そのあたりも楽しめる。

雨は試合前にほとんどあがった。先に感想から書けば2試合とも面白かった。まずは、コカ・コーラレッドスパークス対福岡サニックスブルースの九州ダービー。神戸製鋼を下すなど調子のいいサニックスが優位と思われていたのだが、ライバル対決というのは事前の調子はあてにならない。前節、元気のなかったコカ・コーラが元気いっぱいに前に出る。

サニックスは、前半3分にFB古賀のPGで先制も、早々にSO小野が負傷退場の不運もあり、ラインアウトが不安定だったこともあって、その後のチャンスをつぶす。24分には、キックチャージからチャンスをつかみ、交替出場のCTB濱里がトライをあげて10-10とするが、サニックスの得点はここまで。後半は、交替出場のWTBステイプルトンの活躍もあってコカ・コーラが競り勝った。

第2試合は、いまだ勝ち星のない九州電力キューデンヴォルテクスと、ようやく調子の出てきたトヨタ自動車ヴェルブリッツの対戦。事前に九州電力の神田監督に話をうかがったのだが、5連敗でも上位陣との戦いには手応えを感じているようで「悲観はしていない」とトヨタ戦には自信のようなものを感じた。試合はその通り、スクラム、ラインアウトのセットプレーを支配し、SO齋藤、CTBグレイのキックでしっかり陣地を進める九州電力が優位に戦った。

立ち上がりこそ、LO谷口、NO8マクドナルドらの突進で勢いのあったトヨタだが、自陣で不用意な反則が続くなど、流れを引き寄せられず。終盤には、決定力あるWTBライダーを投入して、26-24の2点差に迫り、残り5分にかけたが、最後は時間切れとなった。

終了間際に、ライダーとグレイが一対一になり、もしグレイが抜かれればトヨタの逆転勝利という場面があった。そのシーンについてグレイに尋ねると、「ライダーがチップキックをしてくると思ったので、思い切り高く飛んだ。もし、そのまま走られていたら…(笑)」。グレイの最後の5分の危機管理能力は凄まじかった。前に出るタックルで何度もピンチを救い、ライダーとの絶体絶命の場面では、一か八かでジャンプ。チップキックをチャージしてボールをタッチに出した。もちろん、マンオブザマッチにも選出された。

「プラン通りのゲーム運びでした」と神田監督。東芝、三洋電機、サントリーという上位陣との対戦を終えている九州電力にとっては、後半戦での上位進出に望みをつなぐ貴重な一勝だった。この試合では、怪我から復帰のLOドハティーの活躍も目立った。判断のいい選手だ。

一方のトヨタ自動車は敗れはしたが、FB正面が加速のいいステップワークや、ドロップゴールで天才ぶりを披露。11月末からのトップリーグ後半戦には、ニュージーランドに行っていたWTB遠藤ほか、負傷者も戻ってくる予定で、上位陣にとって脅威の存在であることは間違いない。

◎トップリーグ第6節結果(26日)コカ・コーラウエストレッドスパークス○25-10●福岡サニックスブルース(前半10-10)
九州電力キューデンヴォルテクス○26-24●トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半10-10)
横河武蔵野アトラスターズ●29-47○サントリーサンゴリアス(前半19-14)
NECグリーンロケッツ○34-20●ヤマハ発動機ジュビロ(前半20- 8)

トップリーグは日本代表活動期間でいったん休止。第7節は11月29日、30日より再開される。福岡サニックスブルース対近鉄ライナーズ(12時、長崎・かきどまり)、九州電力キューデンヴォルテクス対神戸製鋼コベルコスティーラーズ(14時、長崎・かきどまり)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ対NECグリーンロケッツ」(13時、岐阜・長良川)ほか、注目カードが目白押しである。

村上晃一

村上 晃一

ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。

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