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連休中は出張などで見ることが出来なかったトライネイションズ2008の最終戦を録画で観た。オーストラリア代表ワラビーズとNZ代表オールブラックスの優勝決定戦。開催地は、オーストラリアのブリスベン、サンコープスタジアムである。
オールブラックスは、ヘンリー監督就任後初めて3試合連続で先発メンバーに変更無し。ワラビーズは南アフリカ戦から先発数名のチェンジ。立ち上がり直後のブレイクダウン(ボール争奪局面)で、互いにタックラーがすぐに転退しないノットロールアウェイや、ラックのなかで手を使う反則を連発しつつ、激しくぶつかりあった。
ボールの保持時間はワラビーズのほうが多いのだが、オールブラックスはわずかなスキを見逃さない。7-17とリードされた後半10分も、SOカーターのパントを、ワラビーズが処理ミス、ここからボールをつないでCTBスミスが抜け出し、PRウッドコクが左隅にトライした。これで流れを引き寄せ、2トライを追加して競り勝った。それでも、前半と後半の最後にトライを奪って勝利の可能性を残すあたり、ワラビーズも地力がついている。ロビー・ディーンズが監督として本格始動してから3か月ほどだが、ボールの動かし方は早くなったし、スクラムもディフェンスも改善された。11月、香港でのブレディスローカップ、欧州遠征、楽しみである。
オールブラックスは、トライネイションズ4連覇。ヘンリー監督への批判もこれで沈静化だろうか。それにしても、この試合、ボールを動かすテンポが速い。世界最高峰の試合だといえばそれまでだが、トップリーグも参考にしていかなければいけないだろう。
それと、レフリングの徹底として通達のあった「シーリングオフ」――ブレイクダウンでボールにふたをするような動きだが、トライネイションズでは、ただ倒れているだけで笛を吹くのではなく、ボールの争奪を放棄してボールを守っている場合に厳しく、ボールの奪い合いの後に倒れている部分、またはボールの争奪に影響なく倒れてしまっている部分は流されているように見えた。ポイントは「争奪」だと思う。ただし、防御側が完全にブレイクダウンに入る気がないときに、攻撃側が勢いで倒れているのを反則にとる必要はないと思う。日本では、8月に通達があったためチーム、レフリーとも手探り状態での試合が続いているが、協会が中心になって整理していく必要がありそうだ。
ワラビーズとオールブラックスは、11月に香港で対戦するのだが、観戦ツアーも企画されているようだ。興味のある方はコチラからどうぞ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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