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日曜日の夜、大阪から戻り、深夜になってマイクロソフトカップの秩父宮ラグビー場の試合を録画で観た。ほんとは月曜日にゆっくり見ようと思っていたが我慢できなかった。なるほど、いろんな方から聞いていたとおりの熱戦だ。結果を知っているのに何度も声が出た。13節を全勝で走り抜けた三洋電機ワイルドナイツは、最後まであきらめない姿勢が浸透している。
東芝ブレイブルーパスも、このプレーオフに向けて選手の休養もとりながらチームを作ってきたとあって、リーグ戦時より身体が動いていた気がする。廣瀬キャプテンも奮闘していた。東芝のマイクロソフトカップに臨むにあたってのキャッチフレーズが「感動は渡さない」だったようだが、勝利の味を知っている選手達の凄まじい勝負魂を見た思いがした。
三洋は今季、相手ボールを奪ってからのトライも多いのだが、分厚い防御と切り返しの意識の高さはこの試合でも生きていた。トニー・ブラウンは、一流のスタンドオフの手本を見せてくれている。終盤、リードされても慌てず、キックや左右への正確なパスを織り交ぜつつ、防御を崩していく。決める選手がいなかれば自らトライも奪ってみせる。ディフェンス時もまっさきに身体を張る。判断に狂いもない。彼のプレーを日本の若い選手達が間近で見られる経験は計り知れない。
ただし、三洋の強さはブラウンだけでは語れない。途中出場の選手が次々に活躍するのも今季の特徴だ。チーム戦術が全体に浸透している証だろう。試合直後、素晴らしい試合に感無量の宮本監督が「これがトップリーグ」と言っていたのが印象に残った。
決勝戦は、サントリーサンゴリアスとの対戦だ。サントリーのセットプレーの安定感はトップリーグ随一だし、スクラムでサントリーが押し込むようだと三洋は苦しくなる。サントリーのセットプレーからの攻めをどう止めるか。24日に行われる決勝戦も凄まじい試合になりそうだ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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