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ヤマハ発動機ジュビロの村田亙選手が今季限りでの現役引退を発表した。公式セレモニーは、トップリーグ最終節となる2月2日のヤマハスタジアムにて試合終了後に行われる。相手が古巣の東芝ブレイブルーパスという巡り合わせである。ヤマハとしては、村田選手の引退に花を添えるためにも、この試合に勝ってプレーオフ進出を決めたいところだろう。
村田選手の公式ホームページにメッセージがあるが、村田選手も1月25日で40歳になる。引退の理由などについては今度会ったときにいろいろ聞いてみたい。僕も2月2日のヤマハスタジアムには行く予定なので、そのとき詳しいことが聞けるかな。
村田選手は、福岡の草ヶ江ヤングラガーズでラグビーを始め、東福岡高校から専修大学に進んだ。1989年、専修大学のキャプテンとして関東大学リ-グ戦で優勝し、翌年東芝に入社。全国社会人大会2連覇、日本選手権3連覇など中心選手として成し遂げた。日本代表としては、1991年、95年、99年の三大会に出場。1999年、東芝を退社して渡仏し、バイヨンヌクラブと契約を結び、日本人プロ第一号となった。2シーズン活躍して、帰国。ヤマハ入りした。
引退を知って、なんだか寂しい気持ちになった。僕はラグビーマガジンの新入社員のとき、大学2年生の村田亙選手を取材した。「育ち盛りのスクラムハーフ」というタイトルで原稿を書いた。爆発的なスピードで密集サイドを駆け抜ける村田選手は、あのときまだ身長が伸びていたと記憶する。それからも何度もインタビューしたが、印象深いのは彼がバイヨンヌにいたとき、JALの機内誌の仕事で取材に行ったことだ。練習に行くと、ロッカールームから出てきた村田選手がサポーターのおじさんたち全員と笑顔で握手をかわしてからグラウンドに入っていった。クラブハウスのレストランのおばさんは、ぶっきらぼうだったが、村田選手のことが可愛くて仕方ないようだった。村田選手がバイヨンヌの人々に愛されていることがよく分かった。フランス語は難しかったはずだが、抜群の運動能力ですぐにチームの軸になり、正SHとして2シーズンで44試合に出場した。バイヨンヌの城壁に囲まれたグラウンドで撮影したのが懐かしい。
ここまで現役を続けていること自体が素晴らしいのだが、いつのまにか彼に引退はないような気になっていた。「引退」という文字を見て動揺した。いまはうまく気持ちがまとまらないなぁ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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