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日曜日は秩父宮ラグビー場だった。大学選手権2回戦の早大対法大の試合をJSPORTSで解説するためだ。第1試合は、東海大対慶大。僕はこの両監督に試合前のインタビューする仕事もあり、朝10時に会場入りしたのだが、家を出るときには降っていた雨があがり、試合前には晴れ間ものぞいた。
「ここを乗り越えないと」と東海大の木村監督。過去、強くなり始めて一気に頂点に立ったチームは数少ない。伝統校の壁に何度か跳ね返されつつ、どのチームも地力をつけていく。そういう意味で東海大にとっては慶大に勝っての2回戦突破というのは、強豪チームへの階段を上っていくための大きな壁だったと思う。
一方の慶大・林監督は、「FWがある程度劣勢になるのは分かっていることなので、ボールを動かしていきたい」と話していた。そして試合は、FW戦では優位に立つ東海大が攻めきれず、慶大がSO川本を軸にWTB出雲らを走らせてスコアしていく展開となった。後半はようやく地力を出して、15人が一体となって防御を崩していく動きができた東海大だが、時間切れとなった。慶大は低いタックルも炸裂していたし、FW周辺の防御は粘り強かった。東海大の強化は着実だし、こうした経験を積んで壁を乗り越えてほしいと思う。
第2試合の早大対法大は、早大がスクラム、ラインアウトの優位を生かし、まずはスクラムを押し込んでのトライで先制。以降も、ラインアウトからのモールで次々にトライを重ねた。中竹監督は「FWのテーマはモールだった」と、そのまとまりには満足げ。ただし、後半はBKでテンポアップしたかったところが、法大の厳しいプレッシャーの前に準備したプレーがほとんど出せなかった。これには不満の表情。それでも、後半のSO山中の飛ばしパスはパスの軌道といい、走り込むWTB早田のタイミングといい、見事だった。
法大もBKのキレは相変わらず。SO文字の軽やかなパスに、CTB宮本、FB城戸らがスピード豊かに防御を翻弄した。後半は、早大防御を崩しきることも多かったし、途中出場の岸和田のランニングには驚かされた。もう少しセットプレーで抵抗できれば、早大を脅かせるBKだと思うなぁ。気持ちのいい展開ラグビーだった。
秩父宮ラグビー場の観衆は、2試合目で13,001人という発表だった。
他2試合は、花園ラグビー場で行われ、明大、帝京大が勝利。2試合目での観衆は、5,131人。この結果、準決勝は1月2日、国立競技場にて慶大対明大(12時15分キックオフ)、帝京大対早大(14時、国立競技場)というカードになる。関東大学対抗戦の4校がトップ4に残ったのは、1974年度に、早、慶、明、日体大が勝ち残って以来のこと。
◎大学選手権2回戦結果(23日)
東海大学●14-28○慶應義塾大学(前半7-14)
法政大学●7-39○早稲田大学(前半7-29)
明治大学○29-0●京都産業大学(前半12-0)
筑波大学●8-46○帝京大学(前半8-12)
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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