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東京は朝から雨が降っていた。日曜日は秩父宮ラグビー場で、JSPORTSの解説だった。まずは、タマリバクラブが、北海道バーバリアンズを破って東日本トップクラブリーグを制する。僕は第2試合の、帝京大対早大の試合担当。
早大の中竹監督は、この試合で「コア・ビルディング」、つまりチームの核を構築することをテーマに掲げていた。「うまくいけば、今年のチームが目指すアタックが見られると思います」と話していたのだが、内容は、その言葉通り、早大が帝京大から意図通りのトライを奪って点差を広げた。
最初のふたつは、モールを押し込んでのトライ。帝京も、SH猿渡がPGを返したが、23分、早大が、ハーフウェイライン付近右のラインアウトから展開し、まずはBKラインにLO権丈が参加して前進、すぐに左へボールを出して、ライン参加のFB五郎丸から、WTB田中に渡ってトライ。早大は前半にもうひとつトライを加えるのだが、それもSO山中の素速いパスを、ボールを受ける前の動きでディフェンスをずらしたCTB田邊がキャッチしてインゴールに飛び込む見事なものだった。
帝京は、NO8堀江、LOツイらが再三防御ラインを突破したが、連続攻撃の中でのミスが多く、ボールを確保することができなかった。最終スコアは、61-8。好機に得点できていれば、スコアは一気に縮まっただろう。ディフェンスでよく前に出ながら、あっさりと抜かれるのも気になった点。このあたりは、大学選手権までに修正したいところ。
早大は、1年生SO山中が素速いパスでラインを走らせた他、途中出場の1年生WTB中濱も力強いランニングを見せた。早大のFWを前に出させないチームでないかぎり、このBKを止めるのは難しい気がする。早大の対抗戦残り試合はふたつ。その相手となる慶大、明大も調子を上げており、対決が楽しみになってきた。

秩父宮で仕事を終え、すぐに三鷹へ。ラグマガの森本さんをパーソナリティにしたトークライブ「ラグビーに乾杯」を見に行くためだ。ゲストは東芝ブレイブルーパスの大野均選手。女性のためのラグビー講座と銘打っているのだが、カップルなら男性も参加OK。僕も参加したのだが、けっして女装した深緑郎さんとのカップルではありません。
大野選手の実感のこもった話は非常に興味深かった。フィジー戦直後、全力を出し切って点滴を受けた話や、体重が1試合で6㎏落ちたことも。誠実そのものの話し方に好感を持った参加者は多かったはず。「サッカーやバスケットは熱くなってぶつかっていったら反則だけど、ラグビーは熱くなってぶつかっていくといいプレーになる」というのは分かりやすい話だった。
僕もまた新しいラグビーファンの方々と出会うことができて、嬉しかったなぁ。
村上 晃一
ラグビージャーナリスト。京都府立鴨沂高校→大阪体育大学。現役時代のポジションは、CTB/FB。86年度、西日本学生代表として東西対抗に出場。87年4月ベースボール・マガジン社入社、ラグビーマガジン編集部に勤務。90年6月より97年2月まで同誌編集長。出版局を経て98年6月退社し、フリーランスの編集者、記者として活動。
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